乳児(0.1.2歳児)の秋冬の感染症の治療と対応(RSウイルス・マイコプラズマ・溶連菌・気管支炎)
秋から冬にかけ、寒くなる季節は、
感染症が流行してくる時期です。
季節の変わり目は疲れや体力の低下から、
RSウイルスやマイコプラズマ、溶連菌や気管支炎など、
様々な感染症が、保育園や幼稚園で多く見られます。
また、感染症によっては、保育園の登園停止になる事もあります。
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
秋になってくると、
風も涼しくなり、外遊びもとても気持ちがいいですね。
しかしこの時期は、感染症が流行してくる時期でもあります。
子どもにまつわる施設、主に保育園や幼稚園では気を配る必要があります。
この記事では、
- RSウイルス感染症
- マイコプラズマ感染症
- 溶連菌感染症
- 気管支炎
といった、保育園でよく見られる症状について、
解説していきます。
また、これらの症状は、
特に乳児クラスの子ども(0歳児、1歳児、2歳児)では、
場合によっては重篤化する事もあり、
症状を見て早めに察知して、対応、対策をとる必要があります。
油断が出来ないです。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人
あつみ先生
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■咳がひどい時の乳児のケア、配慮について
咳って、それ自体が子どもの体力を奪ってしまい、
身体を疲れさせる要因です。
ほぼすべての症状に、咳が伴います。[/ふきだし] [char no=7 char=”かなみ先生”]咳が続くってだけで、
睡眠妨害にもなるし、
ゆっくり眠れないし、
疲れもとれないし…
余計に回復まで時間が掛かったりするね。[/ふきだし] [char no=5 char=”涼しいあつみ先生”]そんな時にできる、
簡単なケアを紹介します。[/ふきだし]
●眠るときは上半身を高く。呼吸が楽になり咳が落ち着く
仰向けに寝た時って、背中が圧迫されて、
息苦しくなります。
これにより、咳が余計にひどくなるため、
上体を起こすことで、咳がマシになります。
布団の下にクッションやまくらを挟むなどして、
上半身が少し高くなるよう、調整してあげてください。
★横向けに寝るだけでも効果アリ
クッションなどがなくても、
身体を横に向かせてあげるだけでも、
呼吸がしやすくなるため、咳が少しマシになります。
●お風呂は控える
入る場合は、短時間でさっと済ませられるよう、
工夫をします。
シャワーでさっと済ませたり、
おしりだけ洗う、など。
●のどが痛くても食べやすい食べ物を与える
子どもって、のどが痛いと食事を嫌がります。
また、水分補給も嫌がる事もありますが、
そういう時は、のどごしがよくて、
食べやすい物が適しています。
例えば、
アイスクリームやゼリーといったものであれば、
美味しくエネルギーと水分を補給できるものが、
子どもにとってはおすすめです。
■秋から冬の寒い時期によくある感染症と対策と対応、治療について
保育園や幼稚園に勤めていると分かりますが、
この時期って、なかなかクラスの全員が揃う事が、少なくなります。
活動の計画を立てるのも大変なんだよね。
一発で足並みそろえて、進めていけないし。[/ふきだし] [char no=7 char=”かなみ先生”]季節の変わり目は特にねー。
行事前で全員でしたい活動とか、製作とか。
症状が長引くと、
一週間とかそれ以上休む子も、いるしね[/ふきだし] [char no=5 char=”涼しいあつみ先生”]そうなると、その子に
埋め合わせをしてあげるのも、
中々大変だよね。
みんなで盛り上がった活動も、
その子だけ経験できなかった、
って事だし。[/ふきだし] [char no=7 char=”かなみ先生”]みんなでした活動を、
どうやって伝えようか、
迷うよね。[/ふきだし] [char no=5 char=”涼しいあつみ先生”]感染症にかかるのは、
仕方ない事だけど、
症状が重症化する前に、
早めに気づいて対応、対策を、
してあげることが、大切ですね。[/ふきだし]
保育園でも、家庭でも、
子どものちょっとした変化を見過ごさずに、
その日の様子を伝えあい、
早めの診察をすることが、
少しでも症状を軽く抑える事に繋がります。
●RSウイルス感染症の対応と対策、治療(乳児:0歳児・1歳児・2歳児)
咳が続く風邪として知られている、
乳児の感染症の中でも、重篤化しやすいRSウイルス。
最初はただのセキかと思っていても、
どんどんそのセキがひどくなってくるのがRSウイルスです。
苦しそうな呼吸がRSウイルスを疑うサインです。[/ふきだし]
★RSウイルスの症状
- たんの絡む酷いセキがどんどん悪化していく
- 「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という苦しそうな呼吸音
- 高熱
小さな子供ほど、重篤化しやすいです。
特に、0歳児、1歳児では入院が必要になる事もしばしば。
結構身近な病気であり、珍しくはありません。
ほとんどの子どもが、2歳までに一度は感染すると言われています。
★RSウイルスの感染経路
咳による飛沫感染が主です。
同じ空間にいると感染する危険性があります。
園によって、登園停止となるかならないかは、
違ってきますので、通っている園の方針に従ってくださいね。
★RSウイルスの潜伏期間
4日~5日
★RSウイルスかもと思ったら受診をする目安
あまりに咳がひどく、
午睡(お昼寝)ができないような状況だったり、
「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という、
苦しそうな呼吸をしているときは、
RSウイルスを疑いましょう。
★保育園でRSの疑いがある時の対応
前述した通り、RSウイルスは飛沫感染します。
そのため、保護者のお迎えがあるまでは、
別の部屋で過ごしたり、職員室で待ってたりします。
お迎えを待っている間、
普段の保育室と違うと、
余計に落ち着かなかったり、
泣いてしまう事も、
あるかもしれません。
担任の先生や、一番安心できる人が、
落ち着くまで一緒に居るなど、
工夫してあげたいですね。[/ふきだし] [char no=7 char=”かなみ先生”]あと、保護者には、
お医者さんに掛かる時、
保育園に通っているという旨を、
しっかりお医者さんに言うよう、
伝えてあげてくださいね。[/ふきだし]
★乳児のRSウイルスで病院からされる対応
気管支拡張の薬や、喘息の薬、
RSウイルスから派生する気管支炎の、
予防の薬などが処方されます。
●溶連菌感染症の対応と対策、治療(乳児:0歳児・1歳児・2歳児)
溶連菌の一番の特徴は、発疹がでることと、のどの痛みです。
[char no=5 char=”涼しいあつみ先生”]のどが痛い+発疹がでたら、溶連菌を疑いましょう。
最近では、初期段階で、
診断できるようになってます。
そのおかげで初期段階から、
抗菌剤による治療が
出来るようになったので、
症状が軽く済む事が
多くなりました。[/ふきだし] [char no=7 char=”かなみ先生”]ただ、しっかり治療をして、
完全に治さないと、
熱が差があった後にも、
- 糸球体腎炎
- リウマチ熱
などが起こる事もあります。[/ふきだし]
上記のような合併症が起こる可能性もあるため、
4週間後に、再受診などしましょう。
★溶連菌感染症の乳児の症状
- 喉のはれ
- 喉を痛がって食べない、飲まない
- 身体に発疹がでる
- 発熱
溶連菌感染症が進行すると、
舌がぶつぶつになって「イチゴ舌」になる事があります。
★潜伏期間
二日~五日
★溶連菌疑い、サインを逃さずチェックして早めの診断を
溶連菌感染症のサインを見逃さず、
早く受診をすれば、症状はひどくなりません。
のどの痛みを訴えるようなことはないかと、
しっかり身体をみて、ぷつぷつと発疹がないか、
チェックしましょう。
これが、病院にかかる目安となります。
★保育園での溶連菌の対応
溶連菌感染症は、
登園停止となります。
登園するためには、
医師によって、登園許可証を出してもらう必要があります。
ちなみに目安としては、
- 熱が下がっている
- 抗菌薬を飲み始めて24~48時間経過している
となります。
登園許可証についての
細かい決まりは、園で詳しく聞けます。
★病院でされる対応
溶連菌に対する、抗菌薬が処方されます。
また、溶連菌の場合は、
治ってからも、4週間後に、
再受診して、合併症が起こってないかを、
検査してもらう必要があります。
合併症としては、肝炎などがあります。
●マイコプラズマ感染症の対応と対策、治療(乳児:0歳児・1歳児・2歳児)
マイコプラズマ感染症は、乳幼児には基本的に少ないですが、
小学生のきょうだいなどがいたり、関わる状況があれば、
家庭内感染で、乳児への感染経路となる事があります。
小学生の子どもと関わる頻度が高い場合、
乳児でもマイコプラズマに感染する可能性が上がってきます。[/ふきだし] [char no=7 char=”かなみ先生”]乾いた咳が長引くので、
しばらく様子見…と思ってると、
見逃して長引きやすいです。
風邪薬では効果がない上に、
症状だけで、見分けるのが難しい感染症です。[/ふきだし] [char no=5 char=”涼しいあつみ先生”]風邪のつもりで対応してきたけど、
いっこうに治らない…
って時はマイコプラズマ感染症を、
疑いましょう。[/ふきだし]
★マイコプラズマ感染症の症状
乾いた咳が長引くのが、
マイコプラズマ感染症の特徴です、
また、発疹がでる事もあります。
★小学生や年上のきょうだいから感染しやすい
主に年上のきょうだいや、
小学生などがいる場合に、感染します。
★マイコプラズマ感染症の潜伏期間
2~3週間
★マイコプラズマ感染症を疑う目安
普通の風邪かと思っていると、
乾いた咳がいっこうに良くならない…
という場合には、マイコプラズマ感染症の疑いがあります。
家庭と園での様子を伝えあい、
気になるなら受診をします。
★保育園での対応
ただ単に、咳がでているだけだと思いがちですが、
長引くようであれば、保護者に伝えましょう。
★病院でされる対応
マイコプラズマに対応した薬や、
咳止めのための抗ぜんそく薬、
気管支拡張の薬などが処方されます。
しばらく使っても効果がない場合は、
薬が体に合ってない場合もあります。
★ほかの症状との見分け方
長引くセキが症状である物は、
マイコプラズマ感染症のほかに、
RSウイルスもあります。
両者とも、咳の症状が持続しますが、
RSウイルスは、どんどん咳がひどく、
悪化していくため、気づきやすいのが特徴です。
しかし、マイコプラズマ感染症は、
同じくらいの乾いた咳が、ずっと続きます。
ちょっと様子見しておこう…と思っているうちに、
長引くパターンが多いですね。
●気管支炎の対応と対策、治療(乳児:0歳児・1歳児・2歳児)
気管支炎とは、気管支に炎症が起こる病気です。
基本的に、感染症のウイルスから繋がり、
風邪の延長、悪化で起こる事が多いです。
気管支炎になる恐れもあります。[/ふきだし]
ただの咳だと思って、
のどの炎症を放っておいたがために、
気管支まで炎症がいってしまうのです。
★感染経路と病院での対応
感染経路というよりも、
ウイルスが原因の場合が多いので、
咳を鎮める薬、
気管支拡張の薬、
また、細菌感染を防ぐために、
抗菌薬などが処方されます。
●百日咳
百日咳に掛かるのはレアケースです。
その理由は、予防接種である、
「三種混合」or「四種混合」に、
含まれているからです。
しかし、予防接種をしていなかったり、
受ける前などで免疫が低下しているときに、
掛かる可能性があります。
★百日咳の症状
百日咳は、その名称からも分かるように、
百日と思うくらい、長く咳が続く、ということです。
特徴としては、咳の後で息を吸い込むとき、
笛のような、「ヒュー」という呼吸音がある事です。
呼吸音がおかしい場合、受診をおすすめします。
なお、診断された場合は、
保育園に登園するために、
登園許可証が必要となります。
●クループ症候群
風邪のウイルス、最近が原因で、
薬を使えば一週間ほどで治る症状です。
1歳ごろに、よく発症します。
★クループ症候群の表情
普通の風邪の症状だけでなく、
咽頭や喉頭の炎症があります。
また、のどの痛みに加えて、息苦しさがあります。
特徴としては、犬が高い声で吠えるような咳がでます。
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