絵本「こんとあき」あらすじ感想と対象年齢やぬいぐるみを紹介
この記事では林明子さんの絵本「こんとあき」のを紹介します。
あらすじは、女の子のあきが、きつねのぬいぐるみのこんと一緒に、 おばあちゃんのお家に行く、ちょっと泣けるお話です。
絵本の対象年齢や感想、またこんの人形の作り方や、 読み聞かせポイント、グッズなども紹介します。
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
保育園で読み聞かせをするにあたり、 毎月の読み聞かせ絵本のうちひとつに、
積極的に林明子さんの絵本を取り入れています!
(私が林明子さんの絵本のファンだからです笑)
心が温かくなる、ボリューム満点のストーリーです。
こんがとっても、頼もしくて、かわいくなりますよ。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
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あつみ先生
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林明子さんの絵本「こんとあき」の紹介
幼児クラス(3歳児、4歳児、5歳児)以上に、 おすすめの絵本「こんとあき」。
この記事では、こんとあきのあらすじや読み聞かせポイント、
作中に登場する砂丘の舞台や、 お弁当の内容など…様々な事を紹介していきます。
●「こんとあき」絵本データ
- タイトル:
こんとあき - 作者:
林明子 - 発行:
1989年6月30日
福音館書店 - 対象年齢(主観です笑):
幼児クラス以上(3歳児、4歳児、5歳児) - ページ数:
40P - 読み聞かせにかかる時間:
10分
●「こんとあき」あらすじ全文と内容
・赤ちゃんを待つ「こん」
こんは、赤ちゃんをまっています。
こんは、おばあちゃんから、赤ちゃんのお守りを頼まれて、
砂丘街からやってきた、きつねのぬいぐるみです。
でも、中々赤ちゃんはやってきません。
こんは、あくびをしながら待っています。
「すわってるのも、飽きちゃった。砂丘街に帰りたいなあ」
こんは、おばあちゃんに会いたくなりました。
よく、ふるさとの砂丘街の夢を見るのです。
うとうとしていると、
オルゴールの音が聞こえてきて、目を覚ましました。
こんは目を覚ましてびっくりしました。
赤ちゃんが、来たのです。
「ああ、あかちゃんだ!赤ちゃんってこんなにちっちゃくて
こんなにかわいいなんて知らなかったな」
こんは、嬉しくて、胸がどきどきしていました。
・女の子の名前は「あき」
「あき」というのが、赤ちゃんの名前です。
あきはよく、こんの手を、よだれで濡らしました。
はいはいが出来るようになると、
あきはこんのうえに乗っかったり、通ったりしました。
また、靴を履いて散歩に行けるようになった日、
あきはこんのしっぽを持って歩きました。
でも、こんはあきと遊ぶのが大好きでした。
こんとあきは、いつも一緒に遊んでいました。
あきはどんどん、大きくなりますが、
こんはどんどん、古くぼろぼろになっていきます。
・こんに綻びが出来てしまう。
毎日遊んでいるので、
ついにこんの腕が、破れてしまいます。
でも、こんは
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
平気な顔で言うばかりです。
「砂丘街にいって、おばあちゃんに直してもらってくる」
こんはすぐに出かけようとします。
「わたしもつれてって」
あきも、一緒に行くことを決めて、支度を始めました。
・こんとあきのおでかけ
こんとあきは、駅にやってきます。
「この汽車に乗るんだ。ぼくについてきて」
こんが先に汽車に乗っていきます。
あきも、一緒についていきます。
こんとあきは、空いている席に座ると、こんが言います。
「ずっと座ってれば、大丈夫。自然につくからね」
こんあきをは安心させるために、言います。
「おなかがすいたらどうする?」
あきの問いかけに対して、こんは、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。
つぎのえきにおいしいお弁当を売っているからね」
・電車の中で、こんとはぐれてしまう。
こんは、あきを残して、お弁当を買ってくることにします。
5分停車だから、すぐ戻ってくる予定だったのですが、
お弁当屋さんには、たくさん人が並んでいます。
こんがなかなか帰ってこないので、あきはとても不安になりました。
ひとりぼっちで、胸がどきどきしてきました。
ついに、ドアが閉まって、汽車が動き出しましたが、
待っても待っても、こんは戻ってきません。
あきは、泣いてしまいます。
切符を調べに来たしゃしょうさんが、あきの話を聞くと、
「きつねくんなら、むこうのドアの所で見かけましたよ」
と教えてくれました。
急いでいってみると、こんがお弁当をもったまま、立っていました。
こんはあきの顔を見るなり、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。お弁当、まだあったかいよ」
と言いました。
こんのしっぽは、ドアに挟まれいて、動けなくなっていたのです。
しかたなく、その場でこんと一緒に、おべんとうと食べました。
しゃしょうさんには、びっくりされましたが、こんは、
「きっぷをもってないわけじゃないんです。
ちょっとしっぽをはさまれたもんですから」
と、ポケットからきっぷをだして、見せました。
次の駅でドアが開き、こんは解放されます。
しかし、こんのしっぽは挟まれたところが、ぺちゃんこです。
しゃしょうさんに、しっぽに包帯をまいてもらいました。
「もう、ずっと、座っていようね」
こんとあきは二人で座って、窓の外を眺めていました。
・砂丘街に到着するこんとあき
ついに、砂丘駅に到着です。こんのふるさとです。
こんは、あきに教えてあげます。
「こっちがおばあちゃんち そっちが砂丘」
あきは
「ちょっとだけ砂丘にいってみてもいい?」
と、こんに聞きます。2人は、砂丘にやってきました。
あきは、砂丘を見るのが初めてでした。
足跡がつくのが、とっても面白い。
2人で歩いていると、他の誰かの足跡を見つけます。
「あれ?こん、この足跡はだれの?」
ふたりは足跡についていきます。
・再び、離ればなれのこんとあき
足跡をたどっていくと…
そこに現れたのは、いぬです。
いぬは、くんくんと、こんのにおいをかいでいます。
あきは、びっくり。
「あきちゃん 怖がらなくても大丈夫。僕がついてるからね」
そう、こんが言った矢先…
犬は、こんを口にくわえて、砂山を走って行ってしまったのです。
あきは、いぬのあとを一生懸命追いかけて、砂の山を登ります。
てっぺんまで登ると、海が見えました。
…でも、いぬの姿も、こんの姿も、どこにも見えませんでした。
「こーーーーん!」
あきは呼んでみましたが、何も聞こえてはきません。
あきは、いぬの足跡をみました。
すると…砂の中に、何かが埋まっているのに気づきました。
あきは、急いで掘り返します。
ようやくこんを助けて、抱き上げました。
「こん、大丈夫?」
と、あきは聞きます。こんは小さな声で、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
と言います。
あきが、
「ほら、海が見えるよ」
と言うと、こんはもっと小さな声で、
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
と言いました。
・おばあちゃんのおうちに向かって出発
あきは、こんをおんぶして、砂山を下りていきます。
「おばあちゃんのうちは、どこにあるの?」
と聞いても、こんはただ、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
と、ちいさな声で言うだけです。
あきは、急ぎます。
まわりがどんどん暗くなっていく中で、
おばあちゃんが立っているのを見つけてました。
ようやくおばあちゃんのお家についたあきは、
「おばあちゃん!こんをなおして!」
と、お願いするのでした。
・こんを直してくれるおばあちゃん
こんをおばあちゃんにみせた、あき。
「おやおや 手も、足も、ぶらぶら。
腕はほどけて、おまけにしっぽもぺちゃんこ」
おばあちゃんは、こんのあちこちを調べて、直してくれました。
そして、あとはぺちゃんこになったしっぽだけです。
「つぶれたしっぽには、お風呂が一番!」
おばあちゃんが言った途端…
「いやだいやだ!お風呂なんか入ったことないもん!」
こんは、逃げ出すのでした。
しかし、こんはあっさりと、おばあちゃんに捕まってしまいます。
あきと、こんと、おばあちゃんは、一緒にお風呂に入りました。
「ああ、いいきもち」
とあきは言います。
おばあちゃんは、
「こん、初めてのお風呂は、どんな気分?」
と聞くと…
「砂の中より、ずーっといい」
と言いました。
お風呂から上がり、きれいにタオルで拭くと、
こんのしっぽは、元通り、立派な綺麗なしっぽになりました。
きれいになったこんと一緒に、あきはお家に帰りました。
●「こんとあき」の対象年齢
対象年齢は、幼児クラス以上(3歳児、4歳児、5歳児)以上が良いでしょう。
この絵本の物語の主人公であるあきと、同じ年ごろになります。
また、しっかりとしたストーリーの流れのある話なので、
それが理解できる年齢は、幼児以上です。
子どもの頃、幼児期というものは、
まるで人形が、人格を持っているかのように、
お話して遊んだりします。
それが、ままごとだったり、
ごっこあそびに繋がっていったり…
大人には分かりにくい感覚かもしれませんが、
子ども達に、人形やぬいぐるみの声は、聞こえているのですね。
自分で作りだしているのです。
子どもは、現実と非現実の、狭間で生きているのです。
それって、普通の事なんですよ。
小さいころは、大人に感じ取れない感覚を、もっているのです。
●絵本のモデルの舞台は鳥取砂丘?
作者である林明子さんのおばあさんは、
鳥取に住んでいたようです。
その事を考えれば、この絵本のモデルとなった場所は、
鳥取砂丘ということになりそうですね。
作者自身の思い出や、経験から、
きっとこのお話は生まれたのでしょうね。
●鳥取のご当地絵本「こんとあき」
舞台が鳥取であるという事で、
絵本「こんとあき」は、ご当地絵本と呼ばれています!
実際に…鳥取市立図書館の貸し出しカードの絵柄は…
(写真はhttp://mitukedori.jimdo.com/より引用)
すごい!
なにこれ可愛い欲しい!笑
貸し出しカードの絵柄が「こんとあき」なんて、
とっても素敵ですよね。
鳥取が、絵本が、もっと好きになれそうです。
●こんとあきの泣ける裏話
実は、絵本の中では描かれていませんが、
こんは、あきの亡くなったおじいちゃんのコートで出来ているのです。
おじいちゃんと、おばあちゃんの思いが詰まっているのですね。
こんが、あきを励ますときの数々の言葉は、
きっとおじいちゃんからのメッセージなんですね。
●こんとあきのぬいぐるみ人形の作り方
この絵本に登場するぬいぐるみは、手作りできます。
実は型紙が用意されているのです!
型紙は、下記リンクからダウンロードできます。
■外部サイト
福音館書店:こんを作ろう
上記は型紙の参考画像です。
印刷用PDFは上記福音館書店公式サイトからDLしてくださいね。
私は早速ダウンロードしました!作る予定は未定
ちなみに、型紙は自宅用プリンターで印刷した後に、
200%に拡大してから使います。
コンビニなどを利用するといいでしょう。
・こんとあきのぬいぐるみの生地は、ボアとフェルト。
生地は、おじいちゃんのコート…
というわけにもいかないので笑
本体には、ふわふわのボアを使いましょう。
ボアとは毛布のような素材です。
ボアと一言で言っても、様々な種類があるため、
手芸屋さんで好きなものを選びましょう!
ボアは生地のタテヨコに注意!
毛の流れを意識して作りましょう。
鼻や口の中など、要所では、フェルトを利用します。
細かい注意点は、型紙に記載されています。
しっかり読み込んでくださいね!
●こんとあきのグッズ
ちょっと自慢の、このグッズ。
紀伊国屋いったら、絵本コーナーに売ってました!
いいでしょー!
可愛いイラストのプリントされたガーゼハンカチ。
即買いでした!1000円!高い!
でも…ガーゼハンカチなんて、自分では使いませんけどね笑
大切に飾ります←
全く関係のない余談ですが、
もじゃもじゃも可愛くてお気に入り、衝動買いです笑
●作者である林明子のファン
私は、林明子先生の絵が大好きなんです!
優しい絵柄で、見ていて暖かい気持ちになれます。
とってもかわいくて、飾っておきたいくらい好きです。
林明子さんの絵本は個人的に集めています。
乳児さんへの読み聞かせの機会は少ないですが、
幼児さんへの読み聞かせの場が確定である場合には…
あつみセレクションの林明子さんの絵本を、
日替わりの自前で保育園に持っていったりしています笑
●こんの買ったあげどん弁当って何?
実は、こんが買ってきたお弁当のレシピがあります。
福音館書店(こんとあきの出版社)が発行した、
「絵本のたしなみ」という本で、初めて紹介されました。
油揚げがのったご飯と、
鳥取名物のとうふちくわ。
スイートポテトプリン。
クックパッドで紹介されています♪
■外部サイト:クックパッド
『こんとあき』のあげどんべんとう with でかプリン
●こんとあきの感想と読み聞かせポイント
しっかり者のこんは、いつでもあきをまもるため、
励まして、安心させてくれます。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
というこんの声かけが、
だんだん小さく、弱くなっていくところは、
こんのことが、とても心配になります。
子どもには、ぬいぐるみの声が聞こえているのです。
自分で作りだしてるんですね。
こんに励まされ、守られながら、助けられながら、
おばあちゃんの家に行くあき。
でも、その道中…どんどんボロボロになっていくこんを、
今度はあき自身が助けようと、頑張っていきます。
ボリューム満点の、しっかりとしたストーリーのある絵本なので、
お話を理解し、楽しめる幼児クラス以上の子ども達が、
とても楽しめるお話です。
絵本の中に、何度も登場する、こんの、
”だいじょうぶ”
というセリフ。
こんのこのセリフを聞くだけで、
あきへの、いろんな思いが込められている事を感じ、
私は涙が出そうになります。
そんな、素直な気持ちを込めて…それぞれの場面に応じて、
いろんな”だいじょうぶ”を、演じてあげてみてくださいね。
とってもおすすめの、絵本ですよ![/ふきだし]
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