【逆効果】子どもの集中力をつける方法と習い事をしてはダメな理由

子どもの集中力を伸ばす方法って、習い事に行くしかないの?
[char no=”25″ char=”子育て中のママ”]うちの子、ほんと集中力ないし、座ってられないから、○○教室(お勉強系)行かせる事にしたんですよー(2歳児の保護者)
[/ふきだし]
(ちょっとまたんかーい!)
上記の例は、保育園でよくある事例なのですが…
果たして、子どもの集中力って、習い事に行けばつくものなのでしょうか?
保育士の目線的には…習い事と集中力って、お察しの通り、関係ありません笑
むしろ、上記のような場合、習い事は逆効果になる可能性すらあります。
こんばんは、
男性保育士のあつみです♪
今回は「子どもに集中力をつけたい」という理由で、教室に通わせようとする…事例をもとに、
子どもが集中力を得るために必要な事と、そのプロセスをお伝えしてまいりますね。
この記事を読めば「子どもの集中力がつくかつかないか」は「習い事」とは無関係という事が分かります。
なおかつ、子どもにどういう環境を与え、どう接すれば集中力が育つかが、分かりますよ♪
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
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■子どもの集中力は「習い事」ではなく「遊び」を繰り返す中で鍛えられる
子どもの集中力の決め手になるのは、
どれだけ夢中に・必死になって遊ぶ経験をどれだけ繰り返したか
という事です。
集中力は、特定の訓練をすれば鍛えられるとか、習い事をすればいいとか、一日で身につくものではありません。
毎日、短い時間でも、(それこそ5分でも10分でも)思い切り、心から楽しんで遊びこむという経験を、積み重ねていく事で、少しずつ、集中できる時間が伸びてきます。
私は保育園で、子どもが落ち着かない様子の時は、

「思い切り、遊ばせてあげられているのかな?」
という事を、常に考えています。
これが情緒の安定、そして集中できるか否かに繋がります。
■子どもの集中力の根源は「興味・関心」であり、これがモチベーションになる
さて、子どもの集中力をつけるために、大人が意識するの本質はたった一つ。
【興味・関心が尽きない環境を与える】
単純ですが、マジで、これが答えです。
保育士目線でお伝えしますと、この環境が設定できるかは、習い事の有無とは関係ありません。
では、次の項目で、事例を見てまいりましょう。
●子どもが集中力を得ていくメカニズム【保育士が解説】
●集中力の根源は、すべて興味・関心がキッカケ
子どもは、みんな最初は集中力はありません。
誰もが等しく、赤ちゃんの頃から集中力をもった人間は居ません。
ただ、興味・面白そうと思って、関わっていく力は、誰にでもあります。
そのため、まずは興味津々で、手あたり次第おもちゃを取り出しますし、
登ってみたい、入ってみたい、触りたい、遊びたい…という動機で、次々目に入る、楽しそうな遊び、おもちゃに関わっていくでしょう。
大人から見れば、ただのイタズラに見えたり、困ってしまう事に見えるかもしれません。
友達が使っているおもちゃも、欲しくなるし、手に入ったと思ったら、もうすぐに満足してポイ、と捨てる事もあります。
でも、その発達段階の中で、その工程は誰にでもあって、それは成長のために必ず必要な事なのです。
●興味対象を夢中で、納得できるまで触れる・関わる。
そんなふうに、手あたり次第、身の回りの環境に関わって、遊びやおもちゃを楽んでいると、たまに子どもがハマるもの、気に入るものがあります。
その気に入った玩具や遊具を、5分、遊びました。
5分遊んだ後は、また他の遊びを始めてしまいました。
でも、それでいいんです。
5分でも、興味持てただけでもすごいんです。
そこから、集中力の土台が育っていきます。
●子どもは、5分でも集中できればOK。それを繰り返せばいい
5分集中できるってのはすごい事で、毎日、いろんな遊びに囲まれて、大好きものは、5分だけ集中して遊ぶ…
それを毎日繰り返していくうちに、集中できる時間が、5分から10分になります。
その数週間後には、集中できる時間が10分が15分になったりします。
この繰り返しを経て、物事に没頭する(集中する)力がついていくんです。
ちなみに、これは、外遊びでも、部屋遊びでも、おもちゃでも全く何でもいいんです。
まずは何でもいいので、たくさんの、興味・関心を持つ事。
これを繰り返さない事には、集中力はつきません。
●遊びの中から得た「子どもの集中力」は、他の事に活かせるようになる
前提として、本来、子どもには集中力はありません。
ただ、興味を持ち、夢中に遊んだ経験から、少しずつ物事に注力できる能力が成長してきます。
それが、生活の中の、他の事に活きてきます。
例えば、生活の中で、食事の時間を例に出すと…
- 食事の時間、立ち歩くことが少なくなってきた
- 食事の時間、手づかみが減ってきてスプーン頻度が増えてきた
- 食事の時間、最後までスムーズに食べきれるようになった・早く食べられるようになった
こういった事は「成長した」と一言で片づける事も出来ますが、今目の前の物事を、最後まで頑張れるようになったという「集中力」もとても関係しています。
前までは、食事から開始5分で、もうダラダラしてたけど…
今は食事開始から、10分は食べる事に集中できるようになった…!
というのもの、集中力がついてきた証明です。
いきなりすべては出来るようにならず、段階的に、集中出来るようになっきます。
では、次の項目で、さらに子どもの集中力を要素分解していきましょう。
■保育士が教える、子どもの集中力の構成要素
先に、幼児期の子どもの集中力が、何から成り立っているかをお伝えしますね。
興味と言うキッカケで、関心を示した子どもの集中力が発揮されるかされないかは、下記の三つの状態で、構成されます。
- 人的環境(大人・他者との関わり)
- 物的環境(子ども達が実際に過ごす環境)
- 子どもの健康状態(睡眠・食事・運動)
習い事云々の前に、この3点が、日々の生活の中で子どもにとって最適化されているか?
という事が大切なポイントになります。
それでは、具体的に、どうずればいいのかを見てきましょう。
■集中力を高める人的環境「大人の関わり」
子どもが、夢中になれる遊びを見つけるまで、遊びを提供します。
子どもが好きな遊びを選べて、選択権を与えることと、自分で選んでいいんだと思える事、それに夢中になれるのを許してくれると感じる関わりが必要です。
要は、子どもが示した興味・関心の対象を否定せず関わらせてあげる、という事です。
●褒めて認める事で、達成感を感じる経験
時間も忘れて、集中して、満足いくまで遊び、
それを大人に伝えたら、褒めらる、認められる…それにより達成感を感じる事が出来ます。
集中しているときは、子どもを見守り、子どもの発信があれば、丁寧に応えてあげるという事が大切です。
達成感という心地の良い経験を繰り返す事で、より集中できる環境になります。
■集中力を発揮できる物的環境
●好きな遊び・おもちゃを選べる事
子どもの遊びは、流動的である事は前提です。
あれこれ、いろいろ試しまくるのが普通です。
ただ、その中から、子どもなりにピンときたものを見つけて、5分でもいいから集中できるか…という事が大事です。
つまり「ピンとくるもの」という、興味の対象がない事には、始まらないんです。
絵本を、見えない・取り出せない場所に片づけていませんか?
使わなさそうだからといって、おもちゃを見えない、取り出せない所に片づけていませんか?
公園では思うままに冒険してみるのもいいですね。
- 「あれしたい!これしたい!」
- 「よし、心ゆくまで、やってみよう!」
と思う環境を設定しておく事が大切です。
●子どもにとって快適な空間(温度、湿度、換気、衣服の調整、水分補給)
子どもが、遊びに向かうために、快適な環境を設定する事が大事です。
なぜなら、まだ小さい子ども達は、周りの物的環境を、自分で最適化する術を持たないからです。
状況にもよりますが目安は下記となります。
- 夏季:26~28℃
- 冬季:20~23度
- 湿度:40~60%
また、下記の点にも気をつけます。
- 適切な換気を定期的に行う
- 気温に応じて、適切に衣服を調整する
- 水分補給を適切に行う
上記は、大人の手助けがあり出来る事です。
●外遊びも大切
公園にいくと、延々とすべりだいを何度も繰り返して、ひたすらブランコ乗り続けて、何が楽しいんだ?
と思うかもしれませんが、それってものすごく大切な事で、集中力を得ていく事に繋がっていくのです。
好きな遊具で何度も遊んだり、自然の中を探検して知らない植物や虫、動物と出会ったりする事で、興味・関心が刺激されます。
それを、とことんまで突き詰める、という経験を経て、集中力の獲得に繋がります。
興味関心と言う、強い動機がないと、集中力は開発されないし、発揮されないのです。
■子どもの集中力を高める健康的な生活
これは、子どもの生活に切っても切り離せないものです。
運動と睡眠と食事は大切です。
どちらかでも不足すると、イライラして遊びどころじゃなくなります。
基本的に、不健康であることは、遊びも学びも、吸収効率が著しく悪くなります。
そのため、有意義な時間が過ごせなくなります。
■子どもの集中力を削ぐ、やってはいけないNG例
下記、子どもの集中力を鍛えるために、やってはいけない事をお伝えします。
●子どもが集中しているのを親が妨害する・水を差す
基本的に【大人は見守る】というスタンスで、OKです。
非常によくあるのですが、親が子どもの集中を途切れさせるという事があります。
こどもが夢中で一人で遊んでるのに、過剰に声をかける。
子どもが求めても居ないのに、正解だとか不正解だとか、使い方が間違ってるだの、ツッコミをいれてしまう、というものです。
大人の心理としては、子どもに声をかけて、コミニケーションを増やす事が大切だと思っている人もいるのですが、子どもが熱中・集中しているときに、大人の声かけは、邪魔以外の何物でもありません。
大人が声をかけるのは、子どもから発信があり、反応を求められたときです。
その時に、ちゃんと受け止めて、認めて、褒めてあげればOKです。
★子どもの遊びを大人がコントロールしすぎてしまう問題
たとえば、子どもがお部屋で、ブロックあそびにものすごく集中している…
そんなときに、部屋遊びばかりは、不健康だから…といって、
子どものブロックを中断させて、無理矢理、公園に連れ出し、外遊びをさせる…ってな場合や、
もうお片付けの時間だから!もう帰る時間だから!
と言って、子どもの気持ちを一方的に無視して、無理矢理、中断させるなど…ですね。
もちろん、どうしても終わらなければいけない事もあります。
だた、声掛けのやり方次第で、子ども自身に納得して終わってもらう事は可能です。
親が強制的に強引に力技で子どもに言う事を聞かせる事は、避けたいですね。
そこまで子どもが真剣・夢中になっているというのは、すごい事です。
子どもの思いを大切にして、折り合いをつけていきたいですね。
基本的に、物事に取り組んでいるときに、繰り返し中断される経験をつむと…
- 集中してはいけない
- 熱中してはいけない
というように、学習してしまいます。
親がコントロールしようとしすぎるのは、集中力が身につくのが遅くなります。
●健康的な生活をしていない
基本的に、睡眠不足と空腹は、全てをイライラさせて、集中力を奪います。
子どもがイライラしている原因は、大人のリズムに突き合わせていたため、というパターンもよくあります。
これだと、集中どころか、有意義に遊ぶことも難しいですよね。
■結局、子どもに集中力をつけるために習い事って、したほうがいいの?
さて、子どもの習い事をしたほうがいいのかについての結論ですが、
- 子ども本人がやりたいと(本当に)望んで取り組むならOK
- ただ親が子どもを「こう育てたい」と、親主体の理由はNG
・・である、という事です。
習い事の理由が【子どもが主体、子ども発信であるならOK】なのですが…
教室や習い事に行かせる理由が【大人・親主体の理由】にならば、逆効果になる可能性が高いです。
「こどもの集中力がないから、習い事をさせる」という理由は、子どもの思いが存在していない上に、集中力を得るメカニズムの流れに沿ってないんですよね。
親の望みで、決めた習い事に、そこに子どもの意思は、あるでしょうか?という事ですね。

ちなみに、習い事あるあるとして…
親からは、楽しんでるように見えても、別に子どもは楽しんでない…
ってのは、わりと見る光景ですね…
習い事が悪いわけではありませんが、それが子どもの望んだものでない場合は習い事って基本的に、子どもの興味の対象を、縛る・狭める事になります。
特定の習い事をする、という事は、ある意味、その時間は絶対に他の事が出来ない、という事なのです。
(もちろん、それが子どもが望んでやりたい事なら、良い事ですよ)
■子どもの集中力を高めるには好奇心・興味・関心が大切
というわけで、今回の記事をまとめます。
子どもの集中力を発揮させるポイントは、下記。
- 好きな事・興味関心の対象を子どもに自分で選ばせる
- 集中を邪魔する声かけをしない
- 子どもの発信を認めて褒める関わりをする
- いろんな遊び・体験ができる環境を提供する
- 健康的な生活を送る
子どもの集中力という、内面的な力って、親と言えど、外部から操作できるものではありません。
大人がコントロールできるのは、どんな環境を与えるか・設定するかです。
内面的な力は、自発的なものです。
子どもが自発的に、好きな事に関われるような環境を、あの手この手で用意するするのが、保育士や大人の役割、ということですね♪
今日の記事は、これでおしまいになります。
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