保護者の悪口を言う保育士は思考停止・仕事放棄してるよね、という話
さて、あなたの保育園では…
休憩時間中に、保護者(パパママ)の悪口で盛り上がっている、保育士は居ませんか?
- 「ほんと、あの子のパパ・ママは、どんな子育てしてるのか…」
- 「あの保護者、またあの書類の提出、忘れてる…どんだけいい加減なの…」
- 「絶対あの家、休みの日とか公園とか連れて行ってないよね」
- 「絶対あの子のママ、おたより一切、見てないね」
- 「ちゃんと離乳食、作ってあげてるのかな?手抜きしてるんじゃない?」
子どものため・子ども優先という大義名分のもと、
保護者に攻撃(悪口を言ったり責めたりする事)をして、
保育士が自ら、保護者の敵に回り【ダメな親】という敵を作り上げる構図…
嘆かわしい事ですが、実はどの保育園でも、割とよくある光景なんです。
あなたのお勤めの保育園ではどうでしょうか?
- 「保護者を敵に仕立て上げる(悪口を言いダメな親だというレッテルを張る)」
- 「保護者を攻撃する(責める)」
という文化は、形成されていないでしょうか?
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
この記事では、保護者への悪口が及ぼす、保育への悪影響・デメリットしかないよという話と、
保護者へのモヤモヤが溜まった時・責めそうになった時の対処法や考え方をお伝えします。
内容は、大きく分けて下記の4つ。
- 保護者の悪口は、思考停止・仕事の放棄であるという事
- 保護者が感じているしんどさ・辛さを共感・理解するステップを踏む事
- 目の前の現状の問題だけでなく、背景と未来を見据え、アプローチをやめない
- ただ話すだけ、されど話すだけ
といった内容になっております。
あなたは、この記事を読むことで、
- 保護者の悪口を言わなくなる・責める言い方をしなくなる
- 保護者と良い関係を築きやすくし、味方・パートナーになる方法が分かる
- 問題に直面した際、自然と問題解決に向かう思考が働くようになる
…上記3点を、得る事ができます。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
■保護者を敵に回すのは、保育者としての仕事(保護者支援)の放棄である
結論としては、このような文化(保護者の敵に回る言動をする)を形成している・しようとしている保育者は、保護者支援という考え方が抜け落ちている・欠けていると言えます。
あえて言おう、仕事の放棄であると。
保育のPDCA(計画、実行、評価、改善)とか、偉そうな事を言いながら、
保護者の問題については、DO(実行)だけして、それでおわり…改良しようとしない先生が多いのです。
Do Do Do Do Do Do…(あとは文句ばかり)
目の前の問題・現状だけを直接、最短・力技で解決しようとするだけで、その物事の、背景と、未来を見ていないんです。
保育士として、一番身に着けていくべき考え方である、問題解決思考になっていないという事です。
- 口頭で伝えても、無理だった
- おたよりで伝えても、無理だった
- 面談で伝えても、無理だった
ここまでやって、なぜ保護者に響かなかったのか?
そこで考え方の前提を変えたり、視点をずらしてまたひとつづつ、アプローチをかえて、試していく…
仮説を立ててて、やめずに続ける、という事が大切です。
それをせずに、悪口に向かうという事、それは…
あえて言おう、思考停止であると。
問題のその先を見て「だからどうするか」という事を、繰り返していく事が保護者支援であり、それも保育なんです。
■「保育者の願い」と「保護者の心理」の大きな差|理想と現実のギャップ
私自身、若干5年の保育士歴、その経験の中から感じる事ですが、
「保育者の願い(理想)」と「保護者の心理(現実)」ってのは、かなり差があります。
ホントに、ここの差、ギャップてのはものすごく強く、感じます。
保護者支援という観点で見た時、
保育者的考え方(理想)と、保護者的考え方(目の前の現実)、どちらに寄せていくのか?
という事ですが、どっちにより過ぎても、ダメです。
どうあがいても、保育者と保護者には差があり、ズレがあります。
バランスと見極め、バランスをとれるのが理想ですが、それもまた難儀です。
●保護者にも、しんどい思い・つらい日常がある事を忘れてはいけない
正直なところ、私にも保育者寄りの願い(理想)があります。
子どもの未来を信じ、そのために成す事、そのために必要な事を伝えていかなければなりません。
ただし、ハッキリいって、実際に、日々の目の前の生活に、苦しむ母親にとっては、
どれだけ保育士から正論を振りかざされたところで、
- 「そんなこといわれても…それどころじゃないし!」
- 「キレイごとばっか言われても、無理なもんは無理!」
- 「うちの家庭の事情も知らないで…いちいちうるさいなぁ!」
という感覚でしかないんです。
仕事で疲れてる中、重い体を引きずって頑張ってお迎えに来て、お家帰ってご飯用意して、子どものイヤイヤに付き合って…
さらに保育士から、アレコレ追い打ちをかけるなんて、あまりに非道であると思いませんか、私は思う。
保護者(パパママ)に「楽すんな」とか「こうしろ・ああしろ」とか求めてばかりの保育者は、
保護者がリアルな生活で、どれだけしんどい思いしてるかとか、考えてないわけですよ。
子どもだけじゃなく、子どもを取り巻く生活の背景すら考える事、これも保育の仕事に含まれているのです。
■保護者に理解・共感してもらえたと思われる事が最優先
つまり、伝えたい物事を、普通に・ストレートに伝えてもまず響きません。
共感しろとか、寄り添う事が優先…って言いますよね。
まずは自分の思いを差し置いて、相手の気持ちに寄っていきましょう。
保護者は、自分が理解された・共感されたと思わない限り、あなたの言葉には耳を貸しません。
理解され、共感されたと、相手が実感できるまで、基本的に信頼はされていません。
不信感が消え、信頼に変わった時に、ようやく、あなたの言葉を聞こうとします。
だから、共感・理解していくステップはめちゃくちゃ重要です。
時間かかるかもしれませんが、ここでこじれるほうが、修復にもっと時間が掛かる、または修復不可能なところまでいきます。
●保育士者としての思い(理想)が強すぎると、保護者は扉を閉ざす。
ただ、保育士としての思いが強いあまり、そのステップ(共感・理解)を踏まずに進んでしまうパターンが多いです。
保育者の願いばかり押し付けると、保護者にとって、あなたは、
「うっとおしい・口うるさい保育士=パパママの敵」
となります。
そうなると余計に保護者は、
- あなたの言う事をきかなくなります。
- あなたの言葉に、耳を傾けなくなります。
- あなたの話を、聞き流すようになります。
思いが一方通行であることは、避けなければなりません。
●保護者を悪者に仕立て上げる保育士の存在
話が通らない保護者をみた保育士は、
自分の思うとおりに動いてくれない保護者を、攻撃しだします。
- 「あのお母さんは、ほんっと、おたよりも何も見てない…」
- 「また提出わすれてる…よっぽどいい加減な親なんだね…」
- 「この前に言った事、何もしてくれない…」
等々…休憩時間に、保護者の悪口を言うようになります。
自ら、保護者VS保育者という、敵対関係を作り上げます。
保護者を敵に回そうとする保育者です。
それを、他の先生に共有して【ダメな親というレッテル】を貼りたがります。
- 保育園の言う事を聞いてくれる保護者を【良い保護者】
- なかなか言った通りに動いてくれない保護者を【悪い保護者】
といったように、非常に上から目線で、偉そうに、保護者を評価します。
そして、悪口や愚痴を共有して【ダメな親】という、敵を作り上げ、ネガティブな一致団結をします。
★やたらと口うるさい保育者ほど「子どものため」とか言う。
ちなみに、保護者への悪口の声が大きい保育者ほど、
- 「全て子どものため!」
- 「子どもが一番優先!」
とか、言う先生が多い傾向があります。
子ども達のために、というかいう大義名分で、親である保護者を追い詰め、責めています。
これって、子どもの育ちという表面しか理解してない。
もっと根本や、本質を探るべきであり。
掘り下げていくと、家庭みんなの幸せがあるんです。
「子どものため」を一番に考えた時には、保育者が、保護者(パパママ)の敵に回っても、何のメリットもないのです。
■親になってはいけない人が親であるパターン
ただ、実際の所、本当に
- 「親になるべきではない」
- 「親になってはいけない」
そんな類の人が、子どもを産み、保護者をしている場合もあります。
正直、そういった保護者に対して、悪口を言いたくなる気持ちも、分かります。
この事実に対しては、本当に嘆かわしいというか、切実に子どもが、かわいそうだと思います。
ただ、ここで考える事を放棄してしまうと「保護者の悪口を言うだけの思考停止な保育士」になってしまいます。
もちろん、個人の力・保育園の力を動員しても、出来る事と、出来ない事はあります。
ただ、そこにある事実に対して、私が関わることで、
一ミリでも、何を変えていけるか?という事を考え、
未来の姿・ゴールを描き、そこに向かって、アプローチを少しでも変化させる事が必要です。
1人の保育者として、出来る事は何かを考えて、関わっていく事なんです。
もう、これの繰り返ししかありません。
■現場の保育士の苦悩|どうすれば伝わるか、どう伝えるか
さて、ここまでの内容で、
- 保護者を敵に回すことは、思考停止・保育士業務の放棄である事
- 保護者に話を聞いてもらう方法(共感)
をお伝えしてきました。
しかし、現実は、上手く行く事は多くありません。
もちろん私も例外に逸れず、完璧ではありません。
どちらかというと、面倒事から逃げるタイプです。
保護者に、伝えるべきことを伝えるのって、
めちゃくちゃエネルギーいるし、疲れるし、面倒くさいんです。
でも、少しずつでも伝えていかなければならない。
それって、ヘコヘコするだけではないです。
スバっというのが効果的な場合もあります。
チマチマいっても伝わらない人もいます。
要は、伝え方が9割なんですけど、ホント臨機応変で、つらい。
子どもであっても、大人であっても相手は、感情をもつ1人の人間であり、すごく難しい所ではあります。
■保育士は子育てのパートナーであり、共に未来を見ていく必要がある
あなたは、保育士として何を願っていますか?
その願いは、保護者を敵に回すことで、未来に、将来的に達成されますか?
と言う事を考える事が大切だと思います。
親を変えるのは難しいし、実際に、手遅れな事も多い。
でも、手の届く範囲で、1ミリでも未来を変えていく事は出来ます。
未来に目を向けた時に【保護者の悪口を言って一致団結】という発想が出てくる事そのものが、おかしい事です。
家庭というユニット、家族と言う単位の味方でありたいし、
その幸せのためなら、私は、私の残りの人生を使っていいと思ってます。
子どもの味方、家族の味方でありたい、という言い方をしましたが、
「味方」だなんて、そんな上から目線でなくてもいいと思ってます。
子育てをしてくための、パートナーです。
対等でいいんです。
●保護者と話をして、悩みを聞くだけでOK
はっきりいって、保育士って全然、偉くないです。
偉そうに、保護者を責める・攻撃する権利なんて、ないよ。
保護者よりも、少し子どもについての知識があるだけです。
だから、とにかく保護者と話して、保護者と一緒に悩むというスタンスでいいんですよ。
答えは、出なくていいんです。
単純ですが、それって絶対、将来、感謝されますよ。
人間って、話す時間が増える・接触回数を増やさないことには、相手の事が分かりませんし、深いところまで理解し合う事は出来ません。
逆に考えれば、単純接触回数が多ければ多いほど、お互いに好意を持っていきます。
保護者との関わりって、朝と夕方の、登園・降園の、短い時間のみ、非常に限られています。
出来る事なんて、ホントに限られてますよ。
でも、だからこそ一日を大切にしていく必要があります。
で、そこに問題解決の糸口やヒントってのは隠れてます。
まずは保育者が努力(何でもいいから関わる事)しないことには、相手(保護者)は変わりません。
このブログで、以前から幾度なく述べている事としまして、
私の考えは「保育士は子育てのパートナー」であるべきだと思ってます。
だいたい、育児・子育ての悩みや問題って、いくら悩んだところで、
答えが出ない事もあるし、正解というものが無い・もしくは分からないことが多いです。
でもぶっちゃけ、答えが無くても、それでもいいと思うんです。
保護者と一緒に悩んでいくというだけでも十分。
その工程・過程が共感に繋がり、同じビジョン(子どもの未来)を見る事に繋がります。
■考え方と潜在意識の話
まとめとして…
- 保護者の悪口は、思考停止・仕事の放棄であるという事
- 保護者が感じているしんどさ・辛さを共感・理解するステップを踏む事
- 目の前の現状の問題だけでなく、背景と未来を見据え、アプローチをやめない
- ただ話すだけ、されど話すだけ
この4点を意識しておけばいいです。
あなたは、これらを意識しておくだけで、保育者の悪口を言いたくなるとか、
責め立てたりする前に、問題解決に向け、思考が働くようになります。
最後に、余談ですがお話を。
言霊という言葉を知っていますか?
スピリチャルとか興味なくても、これは聞いてください、ただの心理学なので笑
人間って、何度も同じ言葉に触れると、心の中に、そのイメージが刷り込まれていきます。
普段から、何度も聞いた言葉に影響され、そして無意識に考えが、偏ってきます。
(それが、良い内容であったとしても、悪い内容であったとしても…)
例えば、ニュースを見ていて…不景気だとか給料が下がったとか、事件だの、事故だの…
という内容ばかり見ていると、潜在意識が「世の中ってイヤ事ばかりだなあ」という考え方に偏ります。
そうすると、自分の考え方や、行動まで、自然と悪い方向に向きます。
だから、保護者の悪口ばかりを聞いていると、自分も保護者の悪口を言うようになるんです。
潜在意識に【ダメな親は敵で、攻撃してもOK】と刷り込まれているから、文句を言っても悪口も言ってもいい、という常識が植え付けられているんです。
あなたが、それに巻き込まれる必要はありません。
ネガティブな言葉・悪い言葉からは、遠ざかりましょう。
逆に、プラスの言葉を考える、いい言葉にふれると、考え方が変わります。マジで。
ネガティブ思考・ネガティブ言動からは、距離を置かないとダメです。
今回の記事はこれでおしまいです。
読んでいただき、ありがとうございました♪
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