保育園の自由遊びの時間にトラブル・ケンカが多い…【解決法は保育士が全力で遊ぶ事】


なんか、いつも夕方の自由遊びの時間に、トラブルが絶えないんです。
怒りたくないのに、制止する事ばかりになって、全然楽しくなさそうで、でもどうすればいいのか…
いつケンカになるか、ハラハラして、神経が磨り減るというか…

なるほど。わかりました。
では、あなたも全力で遊んでみましょう。

!?
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
この記事では、自由遊びの時間に、子ども達同士のトラブルが起こりやすいという悩みを持つ新人の先生向けに、その予防策・対策をお伝えしてまいります。
具体的にする事は、保育士であるあなたが、全力で遊ぶという事です。
【※動画による解説もありますよ♪】

- あつみ先生、何いってるの…
- 普段から変な人だったけど…意味不明…あつみ先生、ついに壊れたか…
と思ったあなた、ちょっと待ってください。
この記事を読めば、その根拠がわかり、今日からあなたは、トラブル&ケンカを予防する方法論を一つ知る事が出来ます。
また、自由遊びの時間であっても、明確な目的を持ち、ブレずに動けるようになりますよ♪
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
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あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
■板書と概要:子どものトラブルが多けりゃ全力で遊べという話
下記の板書をもとに、今回の記事を進めてまいります。
■動画でみる【自由遊びの時間の子どものトラブル予防】(9分程度)
今回の記事を、動画で解説しております。
内容は共通しておりますので、文章or音声、お好みで選び、ご参考くださいね。
■自由遊びの時間にトラブルが多い理由
自由遊びとは、朝の登園後や、お迎え前の夕方の時間など、子ども達が自由に好きな遊びをする時間です。
晴れた日は園庭、雨の日は体育館やホールといった、広い部屋で異年齢の一斉保育が行われる保育園が多いです。
●トラブル・ケンカの原因は、子ども達の気持ち・思いがバラバラである事
トラブルやケンカが起きやすい理由・原因ですが、結論を先にお伝えします。
それは
「子ども達が、各々好きな遊びをしている事で、お互いの意識・思いがバラバラである」
という事です。
好きな遊びを、自由に楽しめるのは素晴らしい事です。
しかし、この時間は、好きな遊びを選んでできる反面、時としてトラブルの原因となります。
例えば、
- 十分なスペースを確保して遊べず狭い
- ほしいおもちゃを、他の子が先に遊んでいた
- 走って遊んでいる子がぶつかってきた
などなど、全体的にワチャワチャした、落ち着かない状態になる事があります。
★個人のコンディションも原因の一つ
また、個人のコンディション、体調や心理状態もかなり影響してきます。
例えば

- お昼寝で早く目が覚めてしまい、寝不足でイライラ
- 今日の保育で、嫌な事があってイライラ
- 家庭の問題のストレスイライラ
- 金曜日の夕方なので、一週間の疲れがたまっていてイライラ
などなど、個々のコンディションによって、イライラが溜まってしまい、トラブル・ケンカになりやすくなったりします。
●自由遊びの時間は好きな遊びをして楽しく過ごすのが目的なのに
ケンカやトラブルって、別に悪い事ではないです。
ただ、悪意のないトラブルとか、本人がまだ分からないのに、ケガに発展したりすると、子どもがお互いにかわいそうだと思いませんか?
また、そればっかりで楽しく過ごせないと、本当につらいですよね。
■解決法は、保育士が全力で遊び、夢中になれる遊びに誘う事
- 子どもが全体的にイライラしている
- トラブルが起こりそう・現状で多発している
という状況になったら、保育士がメインとなる遊びを作って、提供しましょう。
遊びはなんだってOKです。例えば…
- 鬼ごっこやリレー
- サッカーやドッヂ
- 砂場で巨大な山づくりor穴掘り
- 本気のカプラ
- etc
子どもが興味を持ちそうなものでも、突拍子の無いものでも何でもOKです。
とにかく注目・興味性を高めます。
●「気になる」「自分もやりたい」「遊びたい」
例えば、鬼ごっこを例に出しましょう。
先生が、本気で走って遊んでると、子どもは引きつけられます。
そこで子ども達は

- 「気になる」
- 「何してるんだろう」
- 「やってみたい」
- 「遊びたい」
といったように、保育士の遊びに注目します。
そして、自分の意志で、自由な意思で、その遊びに参加しようか決めます。
興味が無ければ、自分のしたい遊びにもどる。
自分の意思で、遊びに参加するということは、その遊びに、気持ちが向かっているという事になります。
そして、一緒にその遊びをしている友達同士、ひとつの同じ遊びに気持ちが向いている、と言う事になります。
●みんなで同じ遊びをしている時は、トラブルやケンカが激減する
1つの遊びに、みんなで夢中になってる時って、意識や向かう方向ってのは一緒です。
そして、不思議とトラブル・ケンカは減ります。
もちろん、ぶつかっただの、転んで擦りむいただの、といったトラブルやケガはあります。
ただ、単純に子どもがイライラして起きたトラブルやケンカとは、性質が全く違うものです。
気持ちが一つだから、あそびの中での問題も解決もしやすいです。
また、納得いかないなら、本気の議論が出来るという、いい機会にもなります。
少々のケガって、子どもの育ちには、必要なんですよね。
それで、自分で力や走る勢いをコントロールしたり、危険を予知する能力が育ちます。
身体機能も向上し、動きも機敏になっていきます。
また、その経験の中で、自分の出来る事できないこと、

等々、子ども自身、分かってきます。
あそびの中から、こんな事も学んでいるのですね。
また、こういった一つの遊びの中で、納得できなくて起こるケンカってのがあります。
こういうケンカは、どんどんすればいいと、私は考えております。
お互いの思いを伝えあう、いい機会です。
有意義とか無意味って言い方すると語弊があるし、誤解を生むかもしれませんが、
どうせケンカするなら、こういう有意義なケンカしてほしいと思いませんか?
お互いの意思を、本気の言葉でぶつかり合ってるケンカってのは、やっぱ成長してるなって思うんですよ。
そういうケンカは、ニヤニヤしながら見ている、最低の保育士は私です笑
手が出そうになったら止めますけど、それまではやらせる、というスタイルです。
子どもながらに青春してるなあ、というか
すごいなあ、ちゃんと自分の思いが合って、こんな事を考えてるんだなあ、成長してるなあって、
嬉しいというか、感動してね、涙がでそうになるんですよ
●【注意】自由遊びの時間は、あそびを強要・強制してはいけない
保育士が全力で遊ぶ姿を見せて、子ども達を遊びに誘っていくのですが、
自由あそびの時間において、子ども達全員を引きつける必要はありません。
【好きな遊びを自由に思う存分楽しむ】事が目的なのですから、遊びを強制してはいけません。
保育士は、環境を構築し、遊びを提供・提案する立場です。
なおかつ、その遊びのリーダーとなるか、リーダーになれる子に遊びを引き継ぎ、バトンタッチします。
そして、それが楽しそうと思う子どもだけ、あそびに加わればいいんです。
他の遊びがしたい子は、他の遊びをすればいいし、それが出来る配慮は保育士の仕事です。
ちなみに、繰り返してると、あそびのリーダーが出来る子が、育ってきます。
そうなったら、保育士がリーダーになる役割は終わりです。
あとは子ども達に任せて、保育士は遊びを広げる手伝い・役割すればいいだけです。
リーダーは子どもがしてくれるので、円滑にあそびが進むように、フォローすればいいだけです。
■保育士の役割分担は必要
さて、ここまでは、保育士が全力で遊ぶ事の意味・意義・理由をお伝えしてきました。
しかし、ただ単に思い切り遊んでればいい、というわけではありません。
具体的には、保育士の役割分担が必要と言う事です。
- 全力で遊びを引っ張るリーダー役の先生
- いつでも子どもに対応できるように、俯瞰・フォローしておく先生
この2パターンの役割が、同時に存在している必要があります。
なぜなら、自由遊びの時間と言うのは、自分で好きな遊びをできる時間です。
リーダー役の先生が、全力で遊んでいる時の、他の子ども達の対応や、フォローなどをする先生は、必要です。
しっかりと役割分担をしないと、放置される子ども達が出てくる…と言う事ですね。
つまり、先生全員が本気で遊んじゃダメってことです。
●自由遊びの時間の、リーダー役の先生は、その日によって変わる。
子どものコンディション、雰囲気、様子によって、その日のリーダーとなる先生は違います。
- 例えば、鬼ごっこが盛り上がりそうな雰囲気の日は、鬼ごっこあそびが得意な先生が、自然とリーダーに。
- 例えば、ままごとが盛り上がりそうな雰囲気の日は、ままごと遊びが得意な先生が自然とリーダーに。
その日の様子・雰囲気で、誰がリーダーになるか、自分の役割を意識してみましょう。
自分の役割を意識して、それを、お互い無意識にできるようになれば完璧な連携といえます。
つまり…
- 他の先生が子ども達をひっぱって遊んでいるときは、あなたはフォローにまわる。
- あなたが本気で遊んでる時は、自然と他の先生が、フォローしてくれる。
それを自然と出来るのが、保育士の連携です。
保育園のすべての職員・先生が、自由時間に、保育士が全力で遊んで子ども達の遊びを引っ張るという事の、意味や意義を理解しているのがベストですね。
職員の共通理解が大事です。
■余談:「もっと子どもと遊んで!」「ちゃんと子どもを見てて!」という矛盾
よく、新人保育士や実習生が言われることとして下記のようなセリフがあります。

- 「ボーッとしてないで、もっと子どもと遊んで!」
- 「何してるの!ちゃんと子どもを見てください!」
という、相反・矛盾した意味を持つ発現です。
新人の先生や、実習生的には、

「見守るのが正解なの…?
遊ぶのが正解なの…?
どっち…?」
という思いになる事があります。
ちなみに正解は、
どちらも正解で、状況に応じて変わる
と言う事です。
●見守るor一緒に遊ぶの矛盾と役割分担
実はこれ、前述した「役割分担」にあたります。
つまり…
- あそびを引っ張るリーダーの動きをしている先生がいない時は…「子どもと遊ぶ」
- すでに、リーダーの動きをしている先生がいる時は…「子どもの対応がすぐ出来るようにする」
という事です。
どちらも同時に存在している必要があるので、
現在はどちらの状況なのかを、判断して自分の役割を選ぶ・動く必要があるという事ですね。
もし、あなたの選択によって、どちらかが欠けて居なくなってしまう…
という状況になった時に、上記の、一見、矛盾・相反する二つの言葉

- 「もっと遊んで!」
- 「ちゃんと子どもを見て!」
という発言を頂くことになる、と言う事です。
●新人の先生・実習生は「あそび」寄りでOK
基本的に、新人の先生や実習生は「もっと遊ぶ」を重視してOKです。
なぜなら、あなたという存在そのものが、すでに子ども達にとって注目の的だからです。
新人の先生や、実習生は子どもの気持ちも引きつけやすいですし、既に最初から、子ども達に注目されています。
だから、あそびを引っ張るのに、最適な役割、ポジションです。
そこで、本気であなたが遊ぶ事で、自然と役割分担できている、と言う事になります。
そしてやっぱり新人ほど、子ども達と本気で遊ぶ事で、学ぶことが多いし、得るものが非常に多いです。
どんどん、子ども達と楽しみましょう♪
■自由保育といいつつも、環境は設定するのが保育士
自由保育とは言っても、自由に子ども達を放置・放任させっぱなしでOKというわけではありません。
各々が、自分で好きな遊びを選んで楽しめるという環境を作っていく必要があり、それが保育士の役割です。
●自由保育の環境とは?楽しく過ごすために何が必要か
実践しながら子どもの姿を学ぶ事が必要です。
つまり、日々、子ども達の観察と関わりを続ける事ですね。
普段、子ども達が何を楽しんでいるか、何がウケるか、知っておく事が大切です。
これを知っていれば、どんどん遊びのアイデア・引き出しは増えますし、アドリブ・応用で対応できるようになります。
●最終目的「自由あそびの目的」を意識すれば、自然と良くなる
自由保育の目的を理解して、そうなるように立ち回れば、OKです。
私の場合は、この自由保育の時間だけは、年齢ごとの指導計画は関係なく、みんなが楽しく過ごしてほしいと思っています。
異年齢と関わっても関わらなくてもいいし、いちばん楽しい遊びをして満足させてあげたいと思っていますので、それを目的にしています。
なぜ満足が大事かと言うと、保育をしていくうえで、満足できるまで遊べる時間は、子どもにとってとても重要・必要です。
満足できないと、本来したい保育内容も、イヤになっちゃうかもしれないです。
でも、子どもって満足した時間を過ごせたことで、次の活動に集中して取り組めるものです。
日々の生活でも、意欲を持ち、臨む事ができるモチベーションにも繋がりますしね。
■自由遊びのトラブル予防は「保育士が遊ぶ事」の根拠

「なんか今日、子ども達が落ち着かない…嫌な予感がする…」
こういう、理屈で説明できない感覚ってのは、保育の仕事をしていると不思議とあるものです。
こういった予感・様子を察知したら、子どもがちが夢中になれる遊びを提供しましょう!
それだけで、トラブルって激減します。
トラブルを減らすには、保育士が本気で遊ぶ事!
その理由は、みんなで一緒に同じ遊びを楽しめて、気持ちが一つになるからです。
これであなたは、自由遊びの時間、明確な意思を持って動けるようになります。
これで、今回の記事はおしまいです。
動画で復習する場合は下記をご覧くださいね。
(記事冒頭で紹介した動画と同じです@9分程度)
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