保育士1年目だけど残業多すぎてもう転職したい
~午睡タイム~
-ガラガラ(保育室の扉を開ける音)-
このあと1時から行事の打ち合わせできる?
会議はじまるまででいいから!
わかりました!
子ども達が寝付いたらすぐ行きます!
間に合うかな…急いでやってしまおう
日誌はあとでいいとして…
とりあえず連絡帳だな…
~しばらく後~
日誌はまだ出来てない…
製作準備も少し進めとく予定だったのになあ…
今日も残業だな
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
保育士一年目の先生によくある思い…
それは、想像を超えた残業ばかりの日々を送っている、という事です。
- 「あれ?定時になったのに何で誰も帰ってないの?」
- 「みんな毎日こんなに遅くまで残ってるの?」
- 「これ残業代出てないんだよな…」
- 「毎日12時間は保育園で仕事してる…」
- 「通勤時間含めたら14時間近いぞ?」
…などの疑問を感じはじめ「こんなはずじゃなかった」と、
自分の選んだ職場に後悔する事が非常に多いです。
この記事では、保育園や幼稚園での、勤務時間の超過…
残業の現状、また残業が発生する理由・システムについてお伝えしております。
ただ、園によって状況は千差万別なため、事例としてご参考くださいませ。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
■保育士の残業が多くなってしまう理由
結論としては、
勤務時間のほぼ全ての時間を、子ども達と関わっており、
その他の仕事を行う時間が確保されてないから
と言う事です。
ご存知の通り、保育士の仕事って子どもと関わるだけではありません。
雑務、書類関係、その他必要な事を全て行う必要があります。
書類や準備などの仕事は、子どもがお昼寝をしている時間…
午睡タイムに仕事を進めているイメージがありますよね。
しかし、毎日のルーチン、また様々な要因により、
思い通りに、また計画通りに仕事を進める事が、実現しにくい現状があります。
下記、事例の紹介になります。
●日中は保育以外の仕事ができない
前述しましたが、
- 朝の自由保育~設定保育
- 給食の時間~午睡準備
- 午後のおやつ~お帰りの時間
いずれにしても、常に子ども達と関わっている時間です。
それ以外の仕事は、進める事が出来ません。
そして問題なのが、上記の子どもと関わっている時間のみで、
一日の勤務時間(8時間)のほぼほぼ全てを使い切ってしまっているという事です。
●午睡中は毎日のルーチンがある
保育園によって、仕事の種類は違ってきますが、
午睡中の時間を利用し、毎日行う仕事としては…
- 連絡帳(乳児クラス)
- その日のおたより(幼児クラス)
- 保育日誌
など、確実に毎日行う仕事があります。
もちろん、園によって行う仕事は違ってきます。
●会議や行事の打ち合わせが行われる
午睡時間を利用して、会議が行われる場合もあります。
会議の質がよければいいのですが…
中にはダラダラと雑談や無駄な会話が多く、時間ばかりを消費する会議も多いようで…
また、誕生会などと言った、行事の打ち合わせや、
それに必要な製作物を一緒につくったり、出し物の練習をしたりなど…
自分のクラス以外の仕事もする必要があります。
たまにピアノレッスンや、午睡中の時間を使った研修もあります。
★年長クラス担任の過酷さがヤバイ
また、年長クラスになってくると、
午睡が無くなり、活動に時間に置き換わったりします。
英語や製作、教材をしたり、習字の時間だったり…
それに伴い、担任も一緒に指導に回るため、
実質的に、自分がしたい仕事につかえる時間は、全くありません。
※ちなみに、私はまだ、年長クラスもったことないのですが笑
■定期的・計画的に進めていく仕事について
さらに、普段おこなるルーチンに加えて、計画的にすすめていく仕事などが加わります。
●各種書類
だいたい、どこの園でもやってると思われるのが…
- 月案(1ヶ月間隔)
- 週案(1週間間隔)
- 日案(1日~7日間隔)
- クラスだより(1ヶ月間隔)
- 個人記録(数カ月に一回×クラス人数分)
これらの書類は、だいたい締め切りが設定されていますので、
提出に間に合うよう、作成していく必要があります。
もちろん、上記は一例ですので、
お勤めの保育園や施設により、やる仕事は違ってきます。
ただ、実質的に勤務時間外の残業で行っている事が多いです。
★余談:書類は全て手書きという縛りがある園も
保育士の書く・作る書類って、様々なフォーマットがあります。
種類によって、
- 手書きのほうが作りやすい書類
- デジタルのほうが作りやすい書類
など様々ですが…
中には「必ず手書きでないといけない」という、
時代・時間が止まっている施設もあります。
(私の勤めてる園もその一つです笑)
どうすれば効率よく書類作成が進むか、時短になるかを考えようとせず、
上の立場の人たちが、固い頭のまま、新しいやり方を取り入れようとしないです。
いつまでたっても、残業が減りません。
クラスだより・クラス通信などを作る際…
- パソコンで下書きやレイアウトを作る→
- それを手書き用紙に落とし込む
といった、非効率極まりない作業を、毎月行っております。
●保育参観前、研修等
多くの保育園では、年に数回、保育参観があります。
保護者は見学するだけのパターンだったり、親子参加だったり、
形は様々ですが、とにかく見られてる前提の設定保育です。
また、私の勤める園では研修として、
姉妹園の先生が保育園にやってきて…設定保育を見学していきます笑
そのあとの反省会でボッコボコに言われるという洗礼です笑
こういった、普段とちょっと違う保育…って時には、
準備も気合入れて行う必要があり、また指導案の徹底的な添削が行われます。
園長に指導案提出、そして添削されて帰ってくる、
それをまた修正して提出、また添削…
と、入念なブラッシュアップ(ダメ出し)の繰り返しで、
非常にエネルギーと時間を消費しまくる期間になります。
●懇談期間中
懇談期間中も非常に仕事が増えます。
懇談日程の調書をとってシフトとにらめっこしながら調整…
それと同時に、懇談で話す内容を整理して準備をすすめます。
懇願が終われば、懇談のまとめを書いて提出…
非常に骨の折れる仕事です。
クラス30人いるのであれば、もちろん30人分…それぞれ行います。
★さらに懇談は勤務時間外前提とかいう異常事態
シフトみて早番の日に懇談いれときや!」
●その他もろもろの書類や準備
保育園では様々な行事を行っておりますので、
それぞれの行事を、それぞれ保育士が担当します。
誕生会、避難訓練、プールびらき、交通安全週間、
クリスマス会、節分、などなど…
指導案を提出するのはもちろん、
必要なものを準備する時間も必要です。
打ち合わせに時間を割かれるのもつらいです。
●何でもかんでも「手作りは素晴らしい脳」
これは余談に近いのですが…
職員の環境や周りの考え方によっては、
- 「なんでもかんでも、自分たちで作る」
- 「手作りする事が素晴らしい」
と言う事に固執する先生が居たり、
園全体に考え方を押し付ける先生が居ます。
工夫して作るのは立派ですし、
必要なものを自作するのはいいんです。
…でも、100均で売ってるような単純なおもちゃですら、
何時間も、何日もかけて手作りしようとする人がいます。
- 「子どもの事を思って作った」
- 「買わなくても工夫したら手作りできる」
とかドヤ顔で言ってますが、ハッキリ言ってそれは、
工夫でも愛情でもなく、自己満足です。
それよりも、買えるものはサクっと買ってしまって、
テキパキ仕事すすめたほうが、いくらかCOOLです。
暇な人が勝手に個人でやる分にはいいんですが、
前述したとおり、その考え方を押し付ける人がいます。
もうね…
お前ら100円やるからその作業時間、よこせと。
ダイソーで買えるものまで手作りとかきょうび流行らねーです。
園全体が
- 「手作りしないとダメ」
- 「手作りこそ至高」
みたいな雰囲気になって、結果として、無駄な作業時間が増え、残業が増えます。
工夫して手作りする前に、工夫して残業減らそう。
長時間労働を美徳と思ってたら残業なんて減らない。
■大きな行事前の残業の過酷さ
毎日の仕事、または定期的な仕事に加えて、
行事の準備期間中は、単純に仕事量がプラスされる事になります。
普段でさえ残業前提で仕事が回っているのに、
行事の期間中は、よりハードな状況になってきます。
●大きな行事は連帯責任が発生する
という考え方が異常に押し付けられる時期であります。
どういう事かといいますと、
定時が終わり、残業タイムに突入して、
自分のクラスで書類などしていると…
という意味不明な事を言われます。
つまり、残業時間の全てを、園の行事の準備に捧げる…という事になります。
他の書類やその他仕事は出来ません。
つまり、毎日が持ち帰り仕事となります。
●夏祭り・お祭り系行事前の残業
お祭り系の行事では、それぞれの先生が担当のコーナーの準備をします。
ゲームコーナーであったり、景品コーナーであったり、
飲食コーナーであったり…種類は様々。
また、保育士の出し物の準備、子どもの出し物の準備など、
リハーサルや練習、打ち合わせが必要な様々な仕事も発生します。
作り物なども当然多くなり、もちろん連帯責任です。
4時におかえりの挨拶をしたら、
一刻も早く園内清掃&保育室の掃除を終わらせて、
準備物、作り物の作業に合流しなければなりません。
ここでもし、合流するのが一番最後になると…
という嫌味をぐちぐち言われます。
園長にも、もちろん報告され、
退勤前に「今日来るのおそかったんだってね」とまたグチグチ言われます。
なので、新人の先生は皆、合流が遅くならないよう、焦りまくっています笑
●造形作品展前の残業
必然的に午前中の活動が、製作メインになります。
私の勤める保育園では、姉妹園の中で
造形作品展コンテストのようなものがあり…
自分の園から受賞者を出すために、
それぞれの園の園長先生は血眼になっています笑
心底どうでもいいわ笑
造形作品展前には、テーマ、コンセプトを決めて、
完成形のデザイン案を毎日、園長先生からOKが貰えるまで提出します。
そのあいだにどんどん、ハードルが上がってくるんです笑
なので、非常に凝った物を求められる傾向があります。
それに向かって作業するわけですが、非常にやることが増えるんですよね。
午睡中の作業時間や残業では、作品の手入れや、
配置したり飾ったり、次の日の製作準備…
また夕方は、製作の得意な子ども達や、
やりたい子ども達に追加でいろいろ作ってもらう…
等、時間外の勤務前提の期間になります。
●運動会前や発表会前の残業
発表会期間は午前中は鬼コーチと化した保育士が怒鳴り散らしています。
こちらも必要な大道具、小道具を用意したり、
ピアノの新曲を練習したりと、やる事は重なってきます。
■さらに、残業代が出ないという悪夢
ちなみに、タイムカードすらない保育園もあります。
朝に出勤して、出勤簿にハンコを押すだけという勤怠管理です。
残業という考え方が存在しません。
(個人的にはタイムカードすら旧世代のアーティファクトだと思っているのですが)
つまり、一日何時間、園で働いているかとか、
勤務している時間の記録が、残っていません。
(よくそれで監査通るよな…)
抜き打ちで勤務時間の監査に来てほしいと願う末端の保育士が、どれだけ多い事か笑
また、タイムカードがあっても残業は打てないという園もあります。
とにかく、園を運営する立場、もしくはそれより上の立場の人に、
残業という考え方がないんです。マジ。
- 子どものためだから時間がかかっても責任もってやる
- 仕事だからさいごまで責任もってやる
責任感を持てというのは分かりますが、
仕事を与えるなら仕事を進めるための時間を保障するのが、
運営する立場の責任ではないでしょうか。
■保育士、幼稚園教諭の残業まとめ
以上が、保育園で残業が発生する理由の一例・事例です。
効率化云々というよりも、
ひたすら時間を投下して長時間労働する事が美徳、
子どものために頑張ってるワタシ素敵という、
風潮・考え方が未だに残ってる施設が多いというのが問題です。
もちろん、時代の流れで少しずつは淘汰されていくとは思いますが、
私が生きてる間には、全ての根絶は果たされないと思います。
●勤務時間外に行う前提の仕事
多くのブラック保育園で前提とされているのは、
勤務時間である8時間のおおよそ全てが、子どもと関わる時間であるにかかわらず、
その他の仕事をいくらでも投げてくる、というシステムです。
そんでもって、児童福祉にまつわる業界では、これが当然とされてきました。
最近新しく出来た施設などは、改善傾向にありますが…
古くから続く保育園や幼稚園などの施設は二極化しています。
- コンプライアンス意識が全くない施設
- 改善を繰り返して働きやすい園にしていこうという施設
どちらも存在しております。
- デジタル化で対応できるものはデジタル化する
- 毎日2時間は完全に保育から外れ、好きな仕事を進める時間を確保する
- 毎週1日は完全に保育から外れ、好きな仕事を進められる日にする
…etc
と言うわけで、保育園で働きたくて就活している学生の皆さま、
また現在お勤めの保育園の残業が嫌過ぎて、他の園に転職したい先生の皆さまにお伝えしたいのは、
勤務時間・残業の在り方について、しっかり知ったうえで、
勤める施設選びをしてほしい、と言う事です。
ちゃんと就職面接では、
残業をなくすための具体的な取り組みを、つっこんで聞いておきましょう!
聞きにくいことかもしれませんが…
これから何年も務める事になるかもしれないと思うと、
この一つの質問をしなかったがゆえ…ずっと後悔するかもしれません。
●余談:自分で残業状態を調査してみる方法
以前の私のツイートでこういったものがあったのですが、
保育園への就職を考えている学生さんへ
ブラック保育園を見極める方法をお伝えします。
毎日、夜8時とか9時ごろに保育園の前を通って園の様子を見てみよう。
いつも、明かりがついている部屋がたくさんあったらヤバイ保育園だよーさて帰ろう
— あつみ@保育士 (@atumi_teacher) 2017年10月13日
これ、わりとまじで有効です。
基本的に、一番遅くとも19時には子どもが全員がお迎えにこられてるはずです。
つまり”普通に運営されている”園であれば、
19時以降は、基本的に職員はすぐに全員退勤できるはずなのですが…
毎日のように、8時とか9時ごろまで電気がついてるってのは、
明らかに”普通の運営はされていない”ためブラック保育園&ブラック幼稚園の証明です。
19時まで残業してるというパターンもあるので、
一概に残業がないとは言えませんが…
ちなみに私が勤めております保育園ですと、
行事前だと10時とか11時まで残る異常事態になる事もあります。
上記はの内容は、私の経験&友人保育士数名の事例を挙げたものですが、
まだまだ生産性の低い、意味不明残業の事例を募集中です笑
願わくば、この記事が、ブラック保育園の運営陣に届き…
自らの無能さ・非生産性を自覚できますように笑
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