保育園でのカブトムシやクワガタの一番簡単な飼育方法まとめ
保育園や幼稚園でカブトムシ、クワガタムシを飼育する時に必要な情報を、
すべてまとめて、分かりやすく解説しています。
これから、カブトムシ、クワガタムシを飼育する先生や、
何が必要か分からない先生や、初心者のための記事です。
こんばんは!
どちらかといえばクワガタ派、男性保育士のあつみです。
保育園で飼育するのに大人気な、クワガタムシ、カブトムシ!
この記事さえ目を通せば、基本的な成虫飼育は問題ナシです。
また、この記事では、保育園で子ども達と一緒に、
クワガタやカブトムシを観察する…という事を、前提にして解説しております。
別に繁殖を目的とした、本格的なブリードの解説ではありませんので、
むちゃくちゃ高度な手入れとか高級品を使ったお世話は不要です。
私も実際に持っているこの書籍は、
保育園や幼稚園で子どもが触れ、また興味を示すであろう、
”飼育が可能な虫や生き物”の情報が網羅されています。
普通の図鑑との違いは、基本的な飼育方法が全て分かるという事と、
保育の視点で、虫への関わりや飼育から、何が学べるのか、
子ども視点での観察のポイントが丁寧に解説されているところです。
保育園でのクワガタ、カブトムシの飼育は、
基本的なポイントさえ押さえれば、容易な部類です。
(幼虫の飼育は別記事にて解説します。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
■クワガタ、カブトムシの成虫の飼育環境
基本的には、下記のような環境設定、設計にします。
(上記画像はタップorクリックで拡大できます)
- 飼育ケース
個体のサイズに合わせた物でOK。
飼育する数に対して、飼育ケースが狭すぎると、ストレスやケンカで弱ります。 - 昆虫マット(土)
市販されている昆虫マットで十分です。 - 昆虫ゼリー
高い物でなくても十分ですが、古いものはやめましょう。 - 止まり木や落ち葉、小枝
クワガタやカブトムシが転倒した際、自力で復帰するのに必要です。
また、木の下などの隙間を隠れ家として休息します。 - エサ皿
昆虫マット(土)の上に、エサのゼリーや果物をじかに置いてしまうと、食べ散らかして、マット(土)が汚れやすくなる原因になります。
清潔さを保ちやすくするために使いましょう。
■カブト、クワガタの飼育ケースについて
基本的に、クワガタやカブトムシの個体の大きさに合わせたサイズを選んだり、飼育数に合わせて、目的に応じさ大きさを選んでください。
飼育ケースが小さすぎるとストレスがたまりますし、弱ります。
例えば、小さいコクワガタ一匹とかですと、100均に売ってるような、18センチ×12センチくらいの、一番小さいサイズの飼育ケースでも十分。
でも、カブトムシを一匹を単体飼育しようと思ったら、最低でも22センチ×15センチ以上のスペースは欲しいね。
欲を言えば、もっと大きいサイズがいいね。
また、カブトムシであれば、しっかりと潜れる深さの、昆虫マット(土)を入れる必要がありますので、十分な深さのある飼育ケースが必要です。
■関連サイト:各種サイズの飼育ケース取り扱い
クワガタであれば、木の下などを隠れ家にして休むため、止まり木や、木の皮などがいくつか置けるスペースのある広さが必要です。
また天井が低いと、飼育ケースの網目をはさんで、自力で取れなくなってしまう事も。
産卵、繁殖させるつもりなら、可能な限り、一番大きいサイズの飼育ケースが望ましいです。
●暑さは苦手!飼育ケースの設置場所について
クワガタやカブトムシって、夏の虫というイメージがありますが、暑さは苦手です。
日の当たるところに長時間さらして、温度が上がると死んでしまいます。
出来れば室内で温度変化の少ない場所がベストです。
常に日陰になっていて、風通しの良い場所に設置しましょう。
●コバエの侵入防止について
また、クワガタやカブトムシ飼育の悩みのタネである、コバエやダニの発生。
これはある程度発生してしまうのは、仕方ないものです。
ストッキングなど目の細かい網をフタにかぶせたりすることで、
コバエの侵入を防ぐことが出来ます。
■昆虫マット(土)について
昆虫マットついては、目的に応じて、選びましょう。
一般的には、発酵マットを使用することが多いです。
●昆虫マット(発酵マット)
多くのペットショップで取り扱っている、一般的な昆虫マットは、
茶色くなるまで発酵させた、自然に近いマットです。
上記の写真のような色をしています。
成虫の飼育、幼虫の飼育のどちらにも使えます。
使う前には、ガス抜きが必要になります。
大き目のタライや衣装ケースにマットを移して、よく混ぜて広げます。
そのまま外に2~3日放置すればOKです。
ガス抜きをする事で、土の匂いもマシになります。
■関連サイト:昆虫マット一覧表
ガスがたまったままですと、においがきついだけでなく、発酵が進み、土の温度が上がって生体が弱ってしまったり、酸欠になる可能性もあります。
●成虫限定、針葉樹マット
成虫のみの飼育には、針葉樹マットもおすすめです。
清潔感があり、色も明るく観察しやすいため、成虫の飼育であれば、こちらがおすすめです。
上記のような明るい色をしています。
ただ、普通のペットショップなどでは、扱いが少ないため、専門店や、取り寄せが必要です。
■関連サイト:針葉樹マットの取り扱い一覧
マットの色も明るいため飼育ケース内の見た目も綺麗。
クワガタムシやカブトムシの体色とコントラストがあり、非常に見やすく、観察しやすいです。
何より、コバエやダニが発生しずらく、清潔な環境に保ちやすいです。
ただし、針葉樹のチップは幼虫のエサにならないため、繁殖目的や、幼虫の飼育には使えません。
また、発酵マットに比べて、乾燥しやすいデメリットもあります。
●マット(土)の手入れは霧吹きが必須
基本的には、乾燥させないように加水する事が必要です。
そのためには、日々の霧吹きによる加水が必須です。
マットの表面は塗れていても、マットの下のほうは乾燥してカラッカラ…なんてこともあります。
最初にマットを飼育ケースに敷き詰める際、ある程度加水してから、敷き詰めると長持ちします。
また、少し手間が掛かりますが、飼育ケースとフタの間に、穴をあけたラップや新聞紙を挟む事で、乾燥するのをかなり防止できます
●止まり木や落ち葉について
クワガタムシやカブトムシって、何もない所で転倒すると、自力で立ち上がるのが難しいです。
そのため、足掛かりとなる足場が必要です。
- 足場となる木
- エサ皿
- 落ち葉
- 木の皮
- 小枝など
転倒時、自力で復帰するための足掛かりを用意してあげましょう。
また、クワガタについては、木の下など狭い所に潜り込んで眠るため、隠れ家として必須です。
■エサ(昆虫ゼリー)の選び方と考え方
基本的に、クワガタやカブトムシに与えるえさの種類は…
- 昆虫ゼリー
- 昆虫用樹液(蜜)
- 各種果物等(リンゴ、バナナ)
等々、選択肢があります。
●おすすめは昆虫ゼリー
保育園で飼育するという事を考え場合は基本的に、子ども達でも一番簡単に扱える、昆虫ゼリーを使う事をオススメします。
果物だと痛みも早く、散らかしやすいため、すぐにマット(土)が汚れてしまうなどあるからです。
また、昆虫用樹液は、止まり木やエサ皿などに直接出して使うため、非常に汚れやすく、手入れの手間が増えるという観点から、あまりお勧めしません。
なにより、昆虫ゼリーはカブトムシやクワガタにとって、総合栄養食です。
必要な成分がしっかり入っているため、ゼリーだけで十分。
ペットショップでお手軽に手に入る昆虫ゼリーでは、
個人的に上記の商品がおすすめです。
私の経験上、他のゼリーに比べて一番よく食べてくれるゼリーです。
ただ、オヤツでバナナ等の果物が出た時なんかに、
「クワガタさん、果物食べるかな?」という考えがきっかけになり、
興味を持つ子などが出てくるかもしれません。
そういった場合には、子どもの気持ちを汲み取り、
「ちょっとあげてみようか!」
という感じで、子どもの気づきを、保育に取り入れてあげてくださいね。
●カブトムシはエサを大量に食べる
一晩でゼリーを一個たいらげます。
驚くほどめちゃくちゃ食べます。
基本的に、1匹につき、一日一個です。
飼育数によっては、大量買いでストックしたはずのゼリーも、
あっという間に在庫切れ…買い出し行かなきゃ!ってなります。
そして、ものすごく散らかします。
毎日の手入れと、エサの入れ替えは必須になります。
●クワガタは小食でエコ。
基本的にクワガタって、あまり食べません。
飼育数にもよりますが、2~3日ゼリーを置いておいてもOK。
個体によっては、2~3日たっても食べきれないケースも多いです。
飼育環境や状況にもよりますが、かなり長持ちします。
真夏ですと、イタミが早くなるため、2、3日での交換が必要です。
ただし、いくらゼリー減りにくいからと言って、放置は厳禁です。
痛んできたり、ゼリーが乾燥してきたら、交換してあげてくださいね。
●昆虫ゼリーが長持ち、乾燥防止方法
基本はエサ皿を利用します。
マット(土)に直にゼリーカップを置くと、食べ散らかしたりして、土がすぐに汚れてしまいます。
清潔さを保つためにもプラスチック製がお勧め。
そして、ゼリーが長持ちする最大ポイントをお伝えします。
上記写真のように、昆虫ゼリーのフタを開封せずに、
カッターなどを使い、バッテンを入れます。
そして、この状態でそのままエサ皿に置きます。
食べにくいんじゃないの?って思うかもしれませんが、まったく問題ありません。
切れ込みの隙間から、上手にゼリーを食べていきます。
こうする事でゼリーの乾燥が劇的に低減されます。
下手したら一週間くらい持ちます。
(http://www.geocities.jp/barberlucky/okuwa-kaikata.html)
より、引用させていただきました。
本格的にやりたい人には参考になりますので、気になる方はどうぞ。[/ふきだし]
カブトムシだとどっちみち一晩で食べきるのですが、
食べるスピードが遅いクワガタには、必須のテクニックとなります。
●スイカは下痢をするから与えちゃダメ?
よく言われるのが、スイカやメロンを与えると、カブトムシやクワガタがおなかを壊したり、下痢をするからNG…というものです。
しかし、別に下痢をしているわけでも、おなかの調子が悪いわけでもありません。
メロンやスイカは、含まれる栄養価が低いのに対して、水分が多いため、多くの水分を排泄します。
これが、下痢と言われる所以なのですが、どちらかというと、排泄した水分により、汚れてしまう事で、清潔が保ちにくい、というほうが問題だったりします。
ちなみに、与える果物として適しているのはリンゴやバナナです。
■観察目的なら、基本は単体飼育
カブトムシやクワガタムシの飼育の初心者は、どうしても一つの飼育ケースで多数飼育をしてしまいがちです。
しかし、保育園で観察するのが目的であれば、ひとつの飼育ケースに、一匹のみで飼育する事をお勧めします。
その理由は
- 望まない繁殖
- ケンカによる事故死
の理由が上げられます。
●増えすぎて世話できなくなる繁殖
これは、特にカブトムシに言える事ですが、カブトムシの産卵する個数がすさまじく、一回の産卵で、15~30個前後の卵生みます。
(この産卵を、2,3回行います。)
しかも、たいして手入れが行き届いてなくとも、簡単に大量に産卵してしまうので大変です。
そして、気づかないうちにすぐ孵化してしまいます。
(土が汚れてきたから入れ替えよう)
土を変えようと思って飼育ケースの土を掘り返してみると、
すでに幼虫がウジャウジャ…っていうのはよくある話です。
土を全部ひっくり返して…っと
【閲覧注意】カブトムシの幼虫がウジャウジャいる画像
って、ギャーーーーー!!
虫が苦手な人ほど、上記の光景が見たくない人ほど、カブトムシは単体で、一匹ずつ飼育しましょう笑
(あつみ先生は平気ですしさわれます笑)
卵を産むという事は、その親のカブトムシが死んでも、幼虫の世話を、これからもずっと継続する必要が出てきます。
ただでさえ忙しい保育士…虫が好きじゃなければ、これ以上仕事が増えるのも、大変だと思います。
カブトムシの卵や幼虫と言えど、捨てたり殺してしまうのは、かわいそうですよね。
でしたら、最初からオスメスのペア飼育はやめましょう。
●ケンカをして弱ったり死んでしまう
基本的には、オスを複数同じ空間で飼育するのは好ましくありません。
ケンカをして、怪我や事故によって死んでしまう事があるからです。
特オスは気性が荒く、別のオスとかち合うと、どうしてもケンカをしてしまいます。
無駄なケンカで、死んでしまうのはかわいそうです。
飼育ケースの密度が高いと、ストレスにもなり、
それが余計なケンカを招いたり、弱ったりしてしまう原因になります。
中には温和な性格のオス同士で、
仲良く暮らしている事もありますが、基本はケンカするものと考えてくださいね。
気性は荒いですが、基本的に、メスにはあまり攻撃は加えません。
ただ、中には、メスですら攻撃して殺してしまうオスもいます。
飼育する際は、基本は、1ケースにオス1匹、もしくは1ペアにしましょう。
最大でも「オス1:メス2」や「オス1:メス3」くらいが限度です。
●飼育ケースが大きければ、複数飼育もアリ
大きいサイズの飼育ケース(横幅40センチ前後、もしくはそれ以上)であれば、
オス同士を複数飼育が出来る場合もあります。
お互いにケンカにならない、スペースの広さがあればOK。
もちろん、エサとなるゼリーの間隔は開けてくださいね。
ただし、エサの量が、飼育数に対して少なすぎたり、一か所にゼリーをまとめて配置すると、ケンカになることもあります。
ただ、それでも個体の性格というものがあります。
温厚な子同士であれば、共同生活は問題ないですが、どんなにいい環境を作ってあげても、荒っぽい、けんかっぽい性格の子も居ます。
そういう子は、単体飼育するしかないですね。
複数飼育する際は、その子の性格や、同居人の相性をチェックして、それでもケンカする子は、隔離して単体飼育をしましょう。
私の主観ですが、コクワガタ、オオクワガタについては、
気の優しい性格の子が多いため、オス同士でも複数飼育できる場合が多いです。
■日々の手入れとお世話について
クワガタやカブトムシの成虫の手入れって、そこまで大変ではありません。
乾燥しないように霧吹きをしたり、エサを入れ替えたり、たまにマット(土)の手入れをすればOKです。
●子どもが出来るお世話をしてみよう!
エサの入れ替え、霧吹きによる加水などは、子どもでも簡単にできるお世話です。
喜んでやりたがるので、ぜひ体験させてあげてください。
私が実際にやってたのは、グループごとに、当番制にしました。
- 今日は○○グループがエサ替え当番…
- 今日は△△グループが霧吹き当番…
といった具合です。
なんども覗いてると、愛着がわいてくるはずです。
●汚れた昆虫マットを入れ替える
昆虫マットには日々、クワガタやカブトムシの排泄物などが溜まっていきます。
汚れが目立って来たら、新しいマットに入れ替えてあげましょう。
■寿命、飼育期間と特徴
寿命は、種類によって異なります。
日本で採取しやすい、代表的な種類を下記に。
私の主観ですが、簡単な性格も記載しています。
- カブトムシ
寿命1ヶ月~2ヶ月。その年の夏の間だけ生きます。
ケンカっぽい、荒っぽい性格の子が多い。 - ノコギリクワガタ
寿命は1ヶ月~2ヶ月。ひと夏の間のみ生きます。
ギザギザでかっこいいハサミが人気です。
ケンカっぽい、荒っぽい性格の子が多い。 - ミヤマクワガタ
寿命は1ヶ月~2ヶ月。その夏の間だけ生きます。
明るい時間、昼間も結構活動しており、子ども達が観察するのは向いています。
標高が高く、比較的涼しいところにしか住めず、実は日本では希少。
兜のような頭の形がいかついです。
ケンカっぽい、荒っぽい性格の子が多い。 - コクワガタ
寿命は2年~3年。冬眠します。
ちょこちょこ可愛いやつです。
性格は穏やかな子が多く、あまりケンカはしない。 - ヒラタクワガタ
寿命は2年~3年。冬眠します。
名前の通り、平べったい体つき。関西では通称「ベタ」と呼ばれてます。
ケンカっぽい、荒っぽい性格の子が多い。
私の経験上、一番狂暴で力も強く、挟まれると中々離してくれません。 - オオクワガタ
寿命は3年~5年以上。冬眠します。
黒く輝く、気の優しい王者の風格を持つクワガタです。
性格は穏やかな子が多く、あまりケンカはしない。
何年も、子ども達と一緒に見守るつもりであれば、越冬できる種類のクワガタがおすすめです。
逆に、その年だけ飼って、夏の間だけ観察したいなら、冬眠しない種類を選びましょう。
そして、何度も言いますが、産卵させる気がないのであれば、オスをメス、分けて飼育しましょう。
●クワガタの冬眠・越冬について
特定の種類のクワガタは冬眠します。
(コクワガタ、ヒラタクワガタ、オオクワガタ)
秋が終わり寒くなってくると、クワガタは活動を休止して、土の中に潜ったり、木の下にずっと隠れて、出てこなくなります。
冬眠の合図は、ゼリーが全然減らなくなった事を目安にするといいでしょう。
気温が15度を下回ってくると、冬眠します。
ちなみに、室内飼育だと、温かい日は出てきてゼリーを食べたり、季節を感じずにいつまでも眠らない事も。
屋外に飼育ケースを設置することで、冬眠に入るはずです。
温度変化があると、冬眠中でも起きてきてしまう事があり、個体の体力消耗=寿命が縮まる事になりますので、なるべく温度変化の少ない、静かな場所で管理しましょう。
もし冬眠した場合は、土が乾燥しないようにだけ、注意してください。
冬眠中の死亡の原因の一番多いのは、乾燥が原因です。
posted with カエレバ
山下 久美,鑄物 太朗 かもがわ出版 2015-01-24
さて、冒頭でも紹介しましたが、
”飼育が可能な虫や生き物”の情報が網羅されているこの書籍。
自然環境が豊かな園では、様々な生き物との出会いがあると思います。
身近な所に住んでいる、小さな生き物から、
子ども達は様々な関わりをして、大切な事を学んでいきます。
ただの図鑑ではなく、日々の保育の中で、小さな生き物との
素敵な出会いを演出してあげられる方法が、具体的に解説されてます。
■クワガタ、カブトの産卵と繁殖について
保育園で飼育する際は、基本的に、無用、不要な繁殖は止めましょう。
カブトムシ、クワガタムシ、それぞれ産卵の条件が違います。
産卵させて、幼虫から育てないのであれば、ここから先は読まなくてもOKです!
興味のある人だけ、読み進めてみてくださいね。
●カブトムシの産卵、繁殖
カブトムシは、つがい(オスメスペア)で飼育していると、大量に産卵します。
基本的な手入れだけしていれば、勝手にどんどん幼虫が増えていきます。
1回で15個~30個以上産卵し、2回~3回ほど産卵します。
つまり最高で、メス個体一匹から、100個近く生むことも。
基本的には、目的が無い限り、繁殖はさせる必要はないです。
管理が大変です。
生まれた卵を全て飼育しようと思ったら、
大量の飼育ケースや衣装ケース、
膨大な量の昆虫マットが必要になってお金もかかるので、
卵はあまり産ませないようにしましょう。
殺したり処分するのはかわいそうなので、
目的が無いなら、オス一匹で飼育しましょう。
もし幼虫を一から育てたい場合は、
必要な量の卵が取れたら、オス、メス、卵を隔離しましょう。
(それでもしばらくはタマゴ生み続けますが)
●クワガタムシの産卵、繁殖
放っておいてもウジャウジャふえるカブトムシと違い、
クワガタの繁殖って難しいです。
むしろ、産卵し、孵化、成長したらかなりラッキーです。
ですが増やしたくなければ、カブトムシ同様、単体飼育が基本です。
産卵させたい場合は、オス1:メス2~3などの、複数環境で飼育します。
そして、土の中にタマゴを産むカブトムシと違い、
クワガタは朽木の中に卵を産み付けます。
つまり、クワガタには産卵木が必要です。
産卵木の準備としては、
市販されている産卵木を買ってきて、水に浸して柔らかくします。
その後、木の皮をはいで、しばらく乾燥させれば産卵木は出来上がります。
これを土の中に埋める必要があります。
この産卵木を、メス個体が掘り進んで、その中に卵を産み付けます。
(この時期のメスは、大量にエサを食べます。)
詳しい産卵木の作り方は、下記サイトをご参考ください。
■関連サイト:産卵セットの作り方|月虫
●幼虫の飼育
幼虫の飼育については、本来は一匹ずつ個別で管理するのが望ましいですが、
保育園などでは、そんなことやってられませんので、
巨大な飼育ケースや衣装ケースなどに大量にマットを敷き詰め、
何匹か複数飼育、などの方法がよくとられています。
カブトムシの場合の例ですと…
- 幼虫が生まれた年の秋ごろ(10月頃)に、
一回目のマット大量追加or入れ替えをします。 - そして、翌年の春ごろ(4月頃)に、
二回目のマット大量追加or入れ替えが必要になります。
(幼虫の詳しい飼育については別記事で解説します。)
■カブトムシ、クワガタ飼育のまとめ
- 成虫のお世話は簡単。
基本は霧吹きとゼリー交換できればOK。 - 基本は単体飼育!
ウジャジャ入れるとケンカします。 - 繁殖は目的が無い限り、させない!
幼虫から成虫になるまで育てる覚悟がある人だけしてください。
私が絶賛愛用中のこの本、
パラパラページをめくるだけだけでも、
こんな虫も飼育できるのか!という発見があります。
そういえば、この前園庭にこんな虫いたなあ…
という発想が広がり、保育に繋げやすい。
虫の名前とか、詳しい生態などを、
子どもたちにドヤ顔で教えてあげる事ができます笑
虫が好きな保育者や先生であれば、
持っていて損はない、ガチでおすすめできる本です。
■【最後に】虫を飼育する事のねらい
虫を世話するのって、簡単そうに見えますが、
継続して日々行う…というのは、ある程度の手間はかかります。
(カブト、クワガタの飼育は簡単な部類です。)
私みたいに、虫好きが一人でも保育園にいればいいのですが、
虫にあまりなじみのない、ましてや女性の多い職場です。
自分から進んで世話をする人も少ないです。
そうなると、どうしても虫たちの環境が、悪くなります。
何日も霧吹きをしてなく、カラカラに乾いている土、ゼリーは何日もカラッポ、
何も考えずに飼育ケースにたくさん何匹も居れられて、ケンカし放題で、死骸も放置されている…
そんな様子を見るたびに、かわいそうだと感じます。
最低限の世話を出来ないなら、生き物の飼育は始めるべきではありません。
最低限の手入れも行き届かず、
人の手によって飼育されてしまったがゆえ、
死んでしまうなんてかわいそう。
自然界でのびのび生きてた方が、幸せだっただろうに。
小さな命を飼育するというのは、そういう意味があります。
カブトムシやクワガタといえど、小さな命です。
毎日のお世話をして、飼育を通して、命に触れる事で、
子ども達にも命の大切さを感じてほしい。
むしろ、そういう願いや、ねらいが無いならば、飼育しない方がマシです。
私も実習や見学を含めて、いろんな保育園を見てきましたが、
虫が好きな人じゃないと、継続した手入れと世話が出来ません。
ひと夏限定の飼育なら、なんとか可能です。
しかし、無計画な飼育の結果、年をまたいで飼育する事になると、そこまで手が回っていない先生も多いです。
逆に、詳しい人が一人でもいて、
ちゃんとお世話の時間もとれるのであれば、
年をまたいで繁殖、幼虫から蛹、そして成虫へと、
成長させるというのは、子ども達にとって非常にいい体験になります。
要は何が言いたいのかというと、
飼育するんだったら、ちゃんと目的と狙いを持って、それに必要な事を調べて学んで、
最後まで責任を持って世話してほしい、と言う事なのです。
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