障害児保育制度の歴史と現状の個別支援計画や配慮の必要性
保育者にとって、障害に対する理解はとても大切です。
この記事では、障害をもった子どもに対する保育についての歴史と、
現状の問題点や課題、事例から考える配慮や、個別支援計画の必要性と意義などを、記録していきます。
こんばんは!
男性保育士のあつみです!
この記事では、
保育者として、知っておくべき、押さえておくべき事柄を、
抜き出し、障害児保育の歴史についてを記録していきます。
私の受け持つクラスでも、発達障害を持つ子供が何人かいます。
障害に対する考え方は、保育士、保育所によって違ってきますね。
障害の早期発見、対応は、保育園や幼稚園の役目になって来ています。
私は、障害は障害としてしっかり受け止めたうえで、個別の援助という形で、接していこうと考えています。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
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あつみ先生
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●障害者(児)の昔の扱い~現状について
心身障害児は、長い間、優生思想の元で、
「不良な子孫」として、差別と偏見に晒され、
家族とともに、過酷な苦痛と社会的不利を強いられてきました。
昔は、家族、地域からも離れて、
施設に保護される「施設中心の福祉」が多かったです。
ですが今は、心身障害児の全員就学の施行や、
地域の福祉サービスを利用する「地域、在宅福祉」へと転換されてきています。
そういった施設、設備が増え続けてきています。
●障害を3つのレベルでとらえる
- 機能、形態障害:
生物的レベルでとらえた障害 - 能力障害:
個人レベルでとらえた障害 - 社会的不利:
社会的レベルでとらえた障害
●日本における、障害者数
- 精神障碍者:204万人
- 身体障碍者:352万人
- 知的障害者:46万人
●発達障害の比率(1000人に対して)
- 知的障害:25人
- 脳性麻痺:2~3人
- 視覚障害:0.3~0.5人
- 聴覚障害:0.8~2人
- 自閉症:1人
- 学習障害:75人
- ADHD:150人
●障害児に対する保育のむずかしさ
障害のある子どもの保育は、困難であることが多いです。
保育者の実力や配慮、保育の質、中身を問われます。
集団保育の中で、様々な問題も起こってきますし、
それらに対応しながら、保育そのものを、発展させていかなければなりません。
障害を持つ子どもが、集団の中で、発達するだけでなく、
そうでない子(健常児)も、障害を持つ子どもとの関わりの中で発達していきます。
障害を持つ子どもに対しての考え方として、
「特別な援助を必要としている”普通の子”」として、
具体的に考えていきましょう。
健常児だけのクラスであっても、気質や個性に合わせて、
ひとりひとり、個別にその子に合わせた保育を考えますよね。
それと同じだと私は考えています。
●障害児保育における、2つの傾向
別格として扱う→丁寧な援助、配慮
これは”障害を持った子ども”として扱い、
重点的に、援助、配慮をかける場合です。
例えば、その子ども専属として職員を配置して、
名目上はクラスの副担任として加配する、といったものです。
対象児は、丁寧な援助を受けながら、クラスの活動に参加します。
いうなれば、特別扱い。
誰が見ても、障害児なんだなあ、
だから一人に対して手厚い支援してるんだなあ、って、
見ればわかります。
皆と同じように扱う→障害を無視、軽視
これは、障害児であっても、
健常児の皆と同じこと行うという保育方針です。
たとえば、運動、リズム表現、制作や絵画など、
健常児の子ども達の皆と一緒の活動を行います。
障害を持っていたとしても、平等という観点です。
いうなれば、能力以上の事を無理に求めているので、
悪い言い方をすると、スパルタに見えるかもしれません。
しかし考え方としては”特別扱いをしない”という配慮です。
これも、個性を認めている、という事なのです。
どちらがいいのか、悪いのか
ただし、どちらがいいとか悪いではないのです。
考え方が違うだけで、どちらも、
しっかりと、個々に必要な援助と保証をして平等です。
例えば、上記であげた後者の、
「皆と同じように扱う(スパルタ的)」保育であっても、
表面上はそういうふうにしてますが、
障害を持った子どもに対して、
必ず個々に必要な援助はしています。
でも、必要な援助を個別に行う事って、
障害を持った子どもに限った事ではないですよね。
健常児でも様々な個性や気質があるので、
個別対応ってしているはずです。
●障害児保育と医学について
障害についての医学的知識が不足している現状があります。
保育者は、障害についての医学的知識をもっと学び、
保育での障害児の様子を、医学に反映していけるようにする事、
これが私たちの役目のひとつだとも思います。
医学に反映されれば、私たちが普段行う、保育の中で、
遊戯療法や、障害克服への取り組みに繋げていきやすくなると思います。
●私の考え方
冒頭でも書きましたが、 担任であれば、クラス全員の、
個人の発達記録を書いていく事になります。
誰一人として、同じものはなく、
その記録をもとに、その子どもに対して、ひとりずつ、
個別の援助、支援であったり、を考えていきますよね。
それは、健常児であろうが、
障害を持った子どもであろうが、一緒です。
誰であれ、個別の支援は必要。
ひとりひとり、違うんですからね。
それを考えて、行っていくのは保育者として、当然で当たり前。
だから私は、平等である、という考え方をしています。
手がかかる、掛からないは、個人差であり。
●障害児保育の歴史
1948年:
第3回国連総会「世界人権宣言」
1973年:
大津市施策「希望する障害児は、全員保育所、幼稚園に入所させる」
70年代ごろから、保育所への、障害児の受け入れ制度が整い始めてきました。
1975年:
第30回国連総会「障害者の権利宣言」採択。
障害者の権利宣言というのは、どういう内容なのかと言うと…
障害者は人間としての尊厳が尊重されるということを説いており、
たとえ、どんな原因、どんなレベルの障害であろうとも
同じ年齢の市民と同じように、十分に満たされた、
普通の生活を送れる権利をもっている
という内容になっています。
この宣言が、心身障害者(児)の福祉の基本理念として、
全世界の障害者施策に反映されたものとなっているのです。
1981年:
この年は、「国際障害者年」という国際年です。
「完全参加と平等」がテーマであり、
社会への適合の援助を進め、生活をしやすくしていくために
障害者の権利を守るために、一般に周知していくというものです。
1983年~1992年:
「国際障害者の10年」が、日本の心身障害児福祉進展の大きな推進力となる。
1993年:
日本で障害者基本法が改正、施行されました。
心身障碍児対策の基本理念とは?
- 第3条の内容は…
障害者は、誰であっても、しっかりと個人の尊厳が守られ、
その処遇をしっかりとうける権利がある
- 第4条の内容は…
国や自治体は、障害者に対する福祉をしっかりと進めて、
障害者の生活が富士通のないよう、予防していくことをしましょう
という内容になります。
1994年:
1989年の、44回国連総会において、
採択された、児童権利条約が、日本で批准されました。
障害児保育に関係のある項目(24条)の、
児童の権利条約の内容を要約すると…
- 締約国は、心身障害、どんな障害であっても、
その尊厳をしっかりと守り、
自立の援助や、社会に積極的に関わっていけるように、
充実した生活をしていけるようにする。
- 障害ある子どもは、しっかりとケアが受けられるようにし、
それを利用しやすいように整えていく。
- 死亡率低下のために、医療を十分に提供すること。
また、母親のためのケアも十分にあること。
- 障害に対する情報や知識を提供されて、
また教育も受けれるような設備、仕組みを整えていくこと。
そしてこのような援助は、いつでも無料でうけらえるということ。
というものです。
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