モンスターペアレントの理不尽クレームについての考え
「うちの子が主役じゃないのはどう考えても保育園が悪い!」
保育園には様々な家庭環境、状況に置かれる子ども達が、 登園し、利用しています。
保護者の子育て状況や、性格、気質も様々。
現在の家庭環境は、本当に多様性があります。
価値観の違いから生まれる、 モンスターペアレントと呼ばれる存在があります。
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
この記事では、 たびたび話題になる、保育園や幼稚園などに寄せられる、 理不尽なクレームについて、諸々を記録していこうと思います。
また、この記事では、 私の園の実例を参考として取り上げているので、 私の考え方や主観もかなり入っています。
その上で参考として頂けたらと思います。
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人
あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
●保育園におけるモンスターペアレントとは
自己中心的で理不尽なクレーム・要求を押しつけ、 保育園や学校などの施設に圧力をかけてくる保護者の事です。
教育を便利なサービスと考えており、 他の利用者、子どもよりも少しでも待遇が悪いと、 特別扱いするような文句を言います。
●保育園でよくある理不尽クレームのパターン
さて、よくある(?)モンスターペアレンツからの理不尽クレームとしては
- 園で汚した服は洗濯して返してほしい
- 服が汚れるから外遊びはやめてほしい
- トイレトレーニングは家で出来ないからしてください
- うちの子はトイレの後は必ず(おしりを)シャワーしてください
- 好きな子と一緒のグループにしろ
- 嫌いな子と別のグループにしてください
- 発表会で主役にしろ
- 誕生会を、全体ではなく個人でしてください
- 写真がかわいくない 真ん中に映せ
- 働いているからもっと遅くまで預かってください
など、わけのわからないクレームが、あるようです。
ただ、極端な例だからこそ取り上げられて、 さもモンスターペアレントばかりかのように言われていますが、 別に今始まった事でもありませんし、 昔からこういった理不尽な要求は、あります。
ただ、割合としてだんだん増えてきてるのが問題ですね。
こんなクレームがある時点でおかしい世の中です。
日本平和っすね!
●私の勤めている園の現状
私の勤めて居る園でも、 大なり小なりクレームはありますが、
クレーム=モンスターペアレントではありません。
理にかなった正当なクレームなら、 それを真摯に受け止め、改善していくのが園の勤め。
正当なクレームは、保育を改善するための重要な意見になります。
理不尽クレームを要求してくるのが、モンペです。
日々の小さな要望を受け止め、改善していく姿勢があるため、
保護者の方も、園の方針をしっかり理解してくださった上で、 協力してくれるように感じています。
(もちろん気難しい保護者の方や、 もっと丁寧に見てほしいという方もおられますが。)
協力というと大げさですが、 保護者と、福祉施設の職員である保育者との関係を、
ちゃんと把握したうえでの付き合い方を、 お互いにわきまえている、 というように、私は感じております。
その理由は、園長や主任の、毅然とした対応です。
普段からしっかり保護者に関わっていく事で信頼関係を作り、 細かな要望やクレームはしっかり受け止める。
しかし、不公平で理不尽な要求は、 園の方針として、出来ない理由を丁寧に伝えて、 毅然と対応しています。
うちの勤める園のシステムとしては、クレームがあった時点で、 全職員にしっかりとシェアされるようになっています。
最終的に対応する、園長の対応としては…
クレームがあれば、相手の言い分は受け入れつつ、
筋の通っていないクレームには毅然と対応し、 出来ない事は出来ないと理由をしっかり伝えます。
公平に、客観的にみて、正当なクレームであれば、 職員会議で対策、改善を図る、という形をとっておられます。
●理不尽クレームは、比較的公立保育園に起こりやすい
私立保育園と、公立保育園の保護者・家庭環境の層には、若干の違いがあります。
私立保育園に比べて、公立保育園は様々な家庭環境の家族が、 利用する場合が多いです。
比較的裕福な家庭の子も居れば、 生活保護を受けていて、子どもによって家庭環境に、 差がある事も多いです。
それゆえ、保護者の性格、価値感の違い、気質も様々。
私立保育園の方が、基準や価値感のブレ幅は、まだ緩やかなような気がします。
(個人の感覚です。)
価値観の違い、考え方の違いが、理不尽なクレームを生み、モンスターペアレントになってしまうこともあります。
●私の考え方と対応
私は乳児より幼児とのかかわりが多いですが、
よくある、服の汚れ…や、
子ども同士のトラブルのケガ…などについては、
遊びの中で、活動なかで、 必要以上に服を汚してしまう事はあります。
粗相をしてしまうことだって、子どもなんですから当然あります。
そんな時は、水洗いをして、 しっかりと理由を保護者に説明をしています。
もちろん、
園児にケガをさせてしまった時は 丁寧に謝罪をして、経緯をしっかり伝えています。
もちろん、モンスターペアレント(笑)という類の保護者は、 納得いかないかもしれないですが。
保護者の考え方
多くの保護者については、
遊びや活動の中で汚れるのは当然。
沢山遊んで、体験して、それで汚れるのはいいという考え方をもっていたり、
ケンカでケガしたり、ひっかかれても、
そういうやり取りを通して、言葉で話す大切さを
学んでほしいと考えておられる方がほとんどです。
つまり、保護者から頂いたこれら意見の求める所として、 私たち保育者がしていくことは、
汚れるという事よりも、 沢山遊んで、いろんな体験をさせてあげることが大切であるという事や、
トラブルやケンカが起こった時は、
しっかりとそのあとのケアをして、話し合いで解決する大切さを、 伝えていく事だと考えています。
汚れる、ケガをする、主役になれない、運動会で負ける、
それは、子どもにとって、大切な経験であり、 いろんな気持ちを、たくさん感じているんです。
そういった価値観を、保護者と近づけて行けると、 クレームが減るかもしれないですね。
●保育所の役割と家庭の役割
保育園は、子どもにとって、
家庭以外の、外部と関わる環境であります。
子育てや成長について、 すべてを保育園に一任するのは、おかしな話です。
こどもの可愛い一面だけを、楽なところだけ見て、 お世話の大変な面だけは、保育園に押し付ける。
それって、自分の子どもに対する関わりとして、どうでしょうか。
あるいみ育児放棄ですね。
そういう所も含めて子育てでありますし、 乳幼児期化からのそういった親からのかかわりを感じて、 子どもは成長していきます。
保育所は、福祉施設です。
別に保護者にとって、便利なサービスではありません。
お金を払っているから、何でも要求に応えろと言い、
保育所をサービスだと考えている方は、
子どもはアクセサリですか?
ステータスですか?
お洒落感覚ですか?
特に、民間の保育園は、教育に力入れ過ぎています。
変わる時代と、要求される保護者のニーズに応えようと、 必死です。
毎日遅くまで涙ぐましいまでの(笑)努力してます。
保育者である私が考えても、 既に過剰すぎるサービス業状態になってる現状です。
福祉施設である保育所は、働く保護者に変わって、 保育に欠ける子ども達を保育(養護&教育)していく事が基本です。
片方で全てを補えるものではなく、 家庭でのかかわりも、保育所での外とのかかわりも、 両方が必要です。
たとえ両親が働いていようが、 家庭でのかかわりは必要です。
こんな絶対にこんな子に育ってほしいという思いがあり、
そうならなかった責任を保育所に求めるのであれば、
自分でなんとかすべきです。 保育所に頼るべきではありません。
また、子どもは思い通りになりません。
子どもがやりたいように、したいようになります。
私たち、保育者として出来るのは、 可能性を広げてあげることです。
またそこに、押し付けや強要があってはいけません 。
…というのは、私の保育観の話になるので、 この記事ではここでストップ。
●クレームがあれば全てモンペ扱いする保育士
意見を言ってくる親のすべてをモンペというのは、おかしな話です。
普通のクレームであれば、真摯に受け止め改善を図っていきます。
前述しましたが、
「クレーム=モンスターペアレント」ではないのです。
最近の傾向として、 モンスターペアレントという言葉が流行しているので、
クレーム=モンペと繋げて、 正当なクレームまで敵と見なす方もいますが、それは間違ってますよね。
クレームをただの文句扱いする保育者は、 やってる事はモンスターペアレントと同じです。
それこそモンスター保育士と言っていいでしょう。
●私に出来ること(個人的な考え方)
基本的に、常々していく事は、価値感を合わせていく事です。
保育園と、保護者の価値感を、どこまで近づけていけるか、常に近づけていこうと出来るか、です。
これを続けていかないと、理不尽クレームは、減っていきません。
偏った考えを持つ親を、個人の力・または保育園の力で、良い方向へ導くのは、きっと限界があると思います。
難しい場合が多いでしょう。
また、そういった保護者を、一人ずつどうにかしていけたとしても、根本的な解決にはつながらないでしょう。
偏った考えを持つ保護者が子どもを育て、 悪循環は止まらず、広がっていきます。
ただ、親を変える一つの方法として、子どもから変えるほうが響く、という事も多いです。
私たちにできる事は、子ども達に未来を託すことです。
私たち保育者にできることは、微々たることしかないかもしれませんが、
それでも、こんな世の中でも、 子ども達に、良いことと、してはいけない事を、
正面から向き合い、伝えていく事をしていこうと思っています。
保育者の思いが伝わっていれば、 きっとその子が大きくなったとき、 他者のことを考えられるようになるでしょう。
私の今の、子ども達へのかかわりで、 どんな風に育つかが、変わってくるんですから、 責任は大きいですよね。
未来をつくっていく仕事だと思います。
■保育園のクレームへの対応のまとめ
- 理不尽なクレームへの対応:
理不尽な事も多いけど、そういう相手には、価値感のすり合わせをひたすら続けるほかない - 正当なクレームへの対応:
丁寧に意見を受け止め、保育・業務の改善に繋げる・活かす
「モンペ」という言葉で片づけない!って事が、大切なんですね♪
これで「理不尽クレームとモンスターペアレントについて」の記事はおしまいです。
他にも、役立つ記事がございますので、是非読んで見てくださいね。
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