育休中の保育園の一時退園…賛成?反対?
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育休中は、既に保育園へ通っている子どもの、
一時退園を求められる自治体が出てきています。
これについては様々な反対意見と賛成意見が あります。
一時退園を求められる自治体が出てきています。
これについては様々な反対意見と賛成意見が あります。
こんにちは!
男性保育士のあつみです。

子ども子育て新制度が始まり、
このような制度を取り入れてる自治体が増加しています。
このような制度を取り入れてる自治体が増加しています。
新制度が導入されても、 まだまだ解決しない待機児童問題と、厳しい現状が続いております。
また、一時退園に関して、 裁判に発展する例もあります。
埼玉県所沢市では、育休を理由に、 退所させる方針にしてます。
実際、8月末までに30人以上退所したそうです。
市の言い分としては、
「本当に保育が必要な待機児童の解消につながる」
といっていますね。
これをどう考えるか、賛成か反対かを議論するのは、
個人的には難しいと思ってます。
個人的には難しいと思ってます。
しかし、この問題について、保育者であるなら、
自分で整理し、考えておく事は必要だと思います。
●問題を考えるにあたっての前提
賛否両論ありますが、
今回はこれを冷静になって考えてみましょう。
子どもは母親が育てるのが当然とか、(賛成派意見)
行政は思いやりがないとか、子どもが可哀想とか(反対派意見)
そんなんは、個人的な感情でしかありません。
私たち保育者が一番に考えなきゃだめなのは、
子どもの最善の利益の保証すること。
これを前提に、
保育所は保育に欠ける状態に対しての児童福祉施設である事と、
さらには家庭により状況、事情が異なるという事を想定して、
様々な視点から考えていく必要があります。
また、その際、視点を変えれば、
意見の相違や、食い違いが出るのは仕方ないことで、当然の事なのです。
だから、難しいんですよね。
少し議論したくらいで解決する問題でもなし、
長期的に考えていくきっかけにしていく必要があります。
●一時しのぎであり、解消にはなっていない
根本的には、この方針は、
待機児童の解消にはなっていません。
待機児童の解消にはなっていません。
限りある器の中で、 子どもを入れ替えているにすぎません。
「家庭で子育て出来る人はしてください、」という内容なのです。
●家庭での乳児の子育て、実情は?
よく報道されるニュースでは、
「退園させられた!」
と、被害者ヅラで叫んでる事ばかりが、 大々的に取り上げられていますね。
もちろん、赤ちゃんのお世話はとても大変です。
上の子を保育園で見てくれれば、 お母さんのかなりの助けになります。
上の子を保育園で見てくれれば、 お母さんのかなりの助けになります。
でも、実際はどうなのか?
という事ですが、私の努めている園での例としては…
という事ですが、私の努めている園での例としては…
既に入園してる上の子がおり、
下の子が生まれた場合に、育休を取った保護者は、
退園という形はとらなくとも、
「保育園の先生も大変だろうし、家で面倒見ますよ!」
と、いうスタンスで、しばらく家で子育てをしたり、
休みがちになる子は、実際に、いくらでもいます。
ニュースで取り上げられている保護者とは、 えらい違いですね。
そして、余談ですが、
やっぱり母親と一緒に過ごす時間が増えることについては、
子どもはすごく嬉しそうにしています。
保育園で過ごす時間も、充実させて、
めいっぱい楽しいものにしてあげようと、
私も含めて職員皆で努力してますが、やっぱり母親にはかなわないと感じます。
もちろん、赤ちゃんにかまいすぎて、上の子が、
心理的に不安定なる時期もありますが… それはここでは割愛。
●一時退園したあとの、復帰は?
他の子のために、お家でお世話をする制度
二人目以降が生まれて育休とったら、
乳児クラスの子ども(0.1.2歳児)は、
一時退園してねってことです。
一時退園してねってことです。
また、一時退園したら、復帰する時、
優先的に保育園に入れますよ、って言ってます。
”優先的に”って、ひどい言葉ですよね笑
一時退園させるなら、しっかりと復帰がどうなるか、
明示して確定させたほうが、利用者として安心できると思います。
でもそれが、断言できないってのも、
施設側や、自治体側の立場を考えると、
わかるのですが、やっぱり利用者にとっちゃ不安ですよね。
同じ保育園にもう一度戻れるのかが問題
つまり、退園と言う形を取ると、復帰のタイミングや状況によっては、乳児の空きがなく、
兄弟が、二人一緒に同じ園に通う事が出来ない可能性もあります。
一時退園させたのであれば、その後を保障してあげる事が大切です。
保護者にとって、新たに保育所探しをする労力は、
ハンパなものじゃありません。
ここを解決してあげるのは、行政の仕事だと思います。
ほんと、優先してあげてほしいものですね。
また、幼児(3、4、5歳児)になると枠が一気に増えるので、
下の子に空きがあれば、 兄弟一緒に元の園に入れる可能性もありますね。
年齢が小さくなるほど、どんどん定員が少なくなる。
これが、関東圏で乳児限定の 小規模保育所開設ラッシュの要因ですね。
●根本的な問題解決について考える。
根本的に、どうしてこういう現状で困っているのかを、
行政は考え居るのでしょうか。
親が安心して働ける社会にする事が一番
私は、保護者が安心して働ける環境が、 大切だと考えています。
今は昔とは違います。
いまのお偉いさんが若いときは、給料もよかったかもしれません。
母親はおうちで育児だけしてればよかったかもしれません。
それだけお金稼げたんですから。
でも今は違って、 共働きでないとやっていけない家庭が増えました。
それは核家族化問題や、 地域での子育ての援助を受けられないという、
色んな問題がありますが、この記事では割愛します。
なので私はずっと、
母親が安定的に働ける社会にしたいという、目的をもって
保育士になりましたし、今でもそれを目標にしています。
母親が安定的に働ける社会にしたいという、目的をもって
保育士になりましたし、今でもそれを目標にしています。
それが子育てしやすい社会ということだと考えているからです。
負の悪循環
保護者が安定的に勤め続け、心配せず仕事にうちこみ、
働いている時に安心して子どもを預けられるようになるには、
待機児童問題を解決しなければなりません。
待機児童という問題を解決するには、施設を増やすほかありません。
そのためには職員を確保するという、別の問題も出てきます。
職員を確保するには、
保育士の最悪な労働条件を改善するという問題の解決が必要です。
そのためには、資金が必要です。
資金を調達するために、税金に頼ります。
税金に頼ると、消費者の負担が増大するという問題があります。
芋づる式に問題が出てきて、収集つかないんですね。
●この方針の目的と意味と問題点
保育園のタライ回しの悪影響
市の政策として、やりたいことは分かります。
ただ、保育士としての視点で考えると、
コロコロ環境が変わる事は、望ましくないですね。
出来れば保育園に復帰する際は、同じ環境であるほうがいいです。
空きがないからという理由で、アチコチ転々とし、
保育所をタライ回しにされる状況は避けなければいけません。
環境がコロコロ変わってしまうのは、子どもに限らず、
心理的に良くないってのは、別に保育のことを知らない大人でも分かる事ですよね。
効率よく、子どもを回して、一時的に、今だけ待機児童を減らしたい、という魂胆が見えてきます。
根本的な解決を目指すまでの一時しのぎ
育休中の一時退園は、 根本的な解決にはなってない、 一時しのぎであるのは事実。
ただ、現状を考えると、
心理的に一時退園が良くないと思っていても、
真っ向からこの方針に反対して、
覆すまでの理由も作れないし、
今の私に代替案は思いつきません。
つまるところ私は、賛成でも反対でもないんです。
ただ、もっと長期的な対策を考えていく必要があります。
目指すべきは安心して子供を預けられ、
気兼ねなく仕事が出来る社会です。
また、ひとつまえの見出しでも述べたように、
賛成やら反対やらを議論したところで、
すぐに解決できる問題でもなし、
私はこの方針を行うにおいて、
現段階では、育休期間が終わった後の、
再入園のフォローをしっかり行うという前提があって、進めるしかないと思います。
同じような施策を行う自治体は、現状だけ見るのではなく、
アフターフォローをしっかり明示し、行う必要があるでしょうね。
●子どもの成長に対して悪影響はある?
愛着形成が大切な乳幼児期
また、これは、子育て、保育の観点からの意見ですが、
特に乳児期は、特定の大人との愛着形成、繋がりがとても重要です。
これは、親だけでなく、特定の先生にも言える事です。
保育所の先生ともしっかりと信頼関係を結び、
子どもは安心して成長していきます。
子どもは安心して成長していきます。
母親の元だけでしっかり愛情を受けて育つ事と、
母親だけでなく、外部の人、
所謂、保育園の先生の愛情も受けて育つこと、
所謂、保育園の先生の愛情も受けて育つこと、
どっちがいいかなんてのは、それぞれ、個人の考え方によりますし、
ここで議論しても仕方がないし無意味ですので、割愛。
ただ、どっちにしても確実に言えることは、
しっかりと愛情を受けて育つ必要があるめちゃめちゃ大切な時期である、と言う事。
それは、保育を少しでもかじってれば分かります。
養成校の学生でもわかります。普通の人でも分かります。
子どもが嫌いで、子育て、保育を軽視しているというか、何も勉強していいない人達なら、分からないかもしれませんけど。
愛着は世界と関わっていく力を育てていく
人格の根っこをつくるこの時期に、
しっかりと信頼関係、愛着形成を出来るかどうかで、
安心して世界と関わっていく事ができるようになります。
ここを軽視すると、こんな言い方はしたくないですが、
その子が、生きていくのがしんどくなったりします。
家庭内保育、保育所保育、どっちにしても、
愛情をしっかりもって育てることは、前提であり、必須です。
●周りとの繋がりが大切な幼児期
幼児クラスは退園しなくてOKな理由
また、これは個人的な意見なのですが、
この方針のポイントとして、
幼児期(3、4、5歳児)は、 退所しなくていいという点において、
保育の観点から見て、考えられているのかな、と感じます。
意見と言うか、個人的な共感、かな。
意見と言うか、個人的な共感、かな。
もちろん、幼児クラスは定員、枠が多いという理由もあります。
(保育士1人で3歳児は20人、4歳5歳児は30人見れる)
保育士やってれば分かると思いますが、
幼児期は、世界がどんどん広がり、友達が出来、
周りの環境に関わっていく時期です。
幼稚園がなぜ3歳からなのか、
その理由考えると、私の言いたい事が伝わると思います。
そしてこの時期こそ、
環境の変化を避けたい時期だと私は考えています。
環境の変化を避けたい時期だと私は考えています。
子どもの世界が形成されていく幼児期
子どもには子どもの社会があり、
どういう付き合いをしていくか、話し合い、
ケンカして怒って、ないてぶつかりあいながら、
どんどん吸収し学んでいく時期であります。
そこには、乳児期でしっかりと受けた愛着、信頼が根本にあり、
また、安心して世界に関わっていく心の安定が必要です。
その心の安定は、決して親だけでなく、
信頼している先生が居るかどうか、
大好きな友達がいるかどうかが、とても大事なことです。
大好きな友達がいるかどうかが、とても大事なことです。
私の園でも、やっぱり、乳児期(0.1.2歳児)を受け持った担任の先生は、
その頃受け持った子ども達が幼児(3、4、5歳児)になっても、絶大な信頼を寄せています。
恥ずかしくなるくらいラブラブです笑
いい育ち方、してるように見えますよ。
なので、私としてた、子どもの最善の利益を考えると、こう思うわけです。
あくまで、個人的な考え、ですよ笑
●子育てがしやすい社会を目指して
私が、保育士になろうと思っている前から、
ずっと一貫して考えていることは、 子育てがしやすい社会です。
子育てがしやすい社会と言うのは、
親が安心して働ける事だというのが、私の考え方です。
安心と言うのは、いろんな意味での安心です。
語りたいけど例によって割愛します。
だからといって、やみくもに保育施設を増やして、
定員を増やせばいいってわけじゃありません。
保育の質という問題があります。
実際問題、嘆かわしい事なのですが、
私の勤めてる法人も、ぽんぽん新しい園を作ってますし、
公立保育所の民営化でバンバン買い取ってます。
そんでもって、保育士が足りないから求人をじゃんじゃん出してて、
あまりのしんどさに(笑)ヤッパやめたって人ばっかりです。
過酷な条件でコキつかって、職員を大切にしてないんです。
そんな事するから保育の質がーがーって言われるんだから、
もっと考えろって言いたくなりますね理事長に。
圧倒的に供給がたりない現状なんですね。
制度をどーのこーのして、いきなり解決できる問題じゃねーですね。
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