小児保健とは?保育における今後の課題と問題点

保育所で勤務していると、多種多様な病気やケガ、突然の発作など、様々な場面に出会う事がありますね。
保育士試験のテストでも、保育士養成校の授業科目としても、小児保健は必修です。
それだけ、重要視されている、と言う事なのです。
保育所に勤めている保育士の、小児保健や、トラブルにまつわる対応の今後の課題や、問題点等…
この記事では、小児保健を学ぶ意義って何?ってことや、どうして小児保健が重要なのかを解説します。
ケガや病気は、もちろん、起こらないに越したことはありませんが、
集団生活においては、また、子供の成長過程では、必ず起こる事であり、避けて通る事は出来ません。
保育者のミスや失敗から繋がり起こる事もあれば、不可抗力的なものも、ありますよね。

でも、一方的に責任を求めたりするよりも…
反省を生かして、再発防止のため、事例を記録し、職員同士でどう対応したかなどの、情報を共有する事に注力するほうが、今後のためになるのではないでしょうか。
これって、保育現場だけでなく、いろんな職場でも、職種でも、基本的なことですよね。
でも、私たちは、専門職であり、保育のプロです。
知識を持っていることは、前提であり、必須なのです。
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そのために、このサイトでは、小児保健について、特集を組み、情報をまとめていこうと思います。
私自身、まだまだ勉強中の保育士です。
技術も知識も未熟ですが、似た境遇で頑張っている先生方と、情報をシェアしていければ…と思ってます。
保育所で勤務していると、多種多様な病気やケガ、突然の発作など、様々な場面に出会う事がありますね。
保育士試験のテストでも、保育士養成校の授業科目としても、小児保健は必修です。
それだけ、重要視されている、と言う事なのです。
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
■なぜ、小児保健を学ぶのが重要なのか?
保育所では、学校との教育と異なり、直接的に、生命の維持と、心身両面にわたる、「発育」や「発達」を、助け、援助していくことが大きな目的です。養護ということですね。
特に小さい頃には、発育や発達の過程で、様々な壁を乗り越えて大きくなっていきます。
- 生命の維持
- 発達、発育の援助
- 情緒を安定させる
- 豊かな暮らしの保障
これに不可欠になってきて、切り離せないのが、保健の知識、医学が大きく関わってきます。
実際の現場では…例えば、保育所や幼稚園で、保健の先生はいますか?
配置基準はありますが、実際問題、居ない園が多いです。
というか、就職活動で見学した園や、実習先なども、居る園が珍しかったです。
保育の実情、福祉等では、そこまで重要視されてなかったのかと、感じますね。
このへんを充実させていくのが、今後の課題であると思います。
●子どもは大人のミニチュアではない
大人の症状と違い、子どもの医学は、全く別物です。
発展途上の子どもの体であるからこその、医学の視点が重要なのです。
それは、保育者もしっかりと理解しておくことが重要です。
そう考えれば、保育をしていくにあたり、
看護←→保育の両方の視点から、
理解していく意味は十二分にあります。
●脅かされる子どもの健康
また、子どもの健康に大きく影響を及ぼす社会的な問題への関心が、薄いということもあります。
- 公害
- 環境汚染
- 育児環境の変化
- 育児不安
- 児童虐待
- 産業の多様化等
どうも日本では、児童福祉に関わる分野の視点が弱いです。
保育所の担う役割として、小児保健をしっかり学んだうえで、
子どもの健康をサポートしていく意味もありますね。
●保育側の問題としては…
保育における長い歴史の中では、医学の視点は持っていなかったのです。
いろんな背景がありますが、保育との科学性を拒んでいた時代長かったのです。
また、障害児や病児、体調不良時などの対応、難しい問題について、後回しにしてきたツケが、現状なのです。
私は、いろんな特性を持つ子ども達への対応が大切だと思います。
それが、子どもそのものを、愛するという事につながると考えています。
また、発育、発達に関する医学的知識を、しっかりと持っていないと、その保育者の勝手な主観に左右されて、間違った対応をしてしまう大きな危険があります。
あまり関係のない余談ですが…
子ども達とサッカーをしていて、ボールが手にあたった子どもが居ました。
その子は「痛い~、指が曲がらない~」とケラケラ笑っていたから、大したケガじゃないかと勝手に判断し、そのまま続けて遊んでいて…あとになって主任に見てもらうと、骨折していたという…どうしてすぐに冷やすことをしなかったのか、即座に報告しなかったのか、猛烈に反省したことがあります…
もちろん、医学と保育は、同じものではありません。
保育所生活の中で、保健知識を持った、医学の目という視点を持ち、保育をしていくことが大切だと思うのです。
●子どもの健康の定義
小児(こども)ならでは病気やケガの傾向や特徴を知り、小児保健を学び、知識を深め保育者として、
こどもの健康な成長のために出来ることは、
常に考えなければなりません。そもそも、健康の定義って、何?
以下、子どもの健康の定義や、
子どもの健康な成長のためのまとめていきます。
保育を行う上で、小児保健や医学の知識は、
少なからず必要になってきます。
最低限の知識を頭に入れておきたいですね!
●小児保健において、子ども(小児)の特徴
- 子どもは大人のミニチュアではない
- 未熟、未分化なため、環境の変化を受けやすい。 (身体、精神、心)
- 常に成長し、発育している(身体的、精神的、知的)
- 発育、発達には必ず順序がある。
早い、遅いは個人差がある。
先天的>生まれつきの素質(遺伝、体質)
後天的>環境、育児方法等 - 変化が大きい。
●そもそも、子どもの健康ってどういう事?
健康というと…病気でない、丈夫な子が健康というイメージをもっていませんか?
しかし、全ての場合において、それが当てはまるとは言えません。
子どもの健康とは、そもそも何が定義なのか。
人によって、捉え方は様々ですが、健康とは、
子どもが身体的にも、精神的にも、そして、社会的にも良好であることとされています。しかし 、私たち保育者が子ども達にしてあげることは、
それぞれの子どもの発育、発達を促すものである
ことだと思います。傷害、病弱であっても、その中で、発育発達することを保障されなければならない。
視力障碍、聴力障害、二分脊椎や喘息、
たとえ寝たきりであっても、その子なりの健康、発達があります。
固定されたイメージだけに、とらわれ過ぎず、言葉の意味を考えていきたいと思います。●回復力と学習
人生の中で、一生ケガや病気をしないことなんて、ありえません。
例えば、風邪であっても、ひくたびに、体に抗体ができ、それを繰り返すことで、強い体になります。
例えば、転んで小さなケガをする…
これで、何をすれば、危険なのか、障害物を確認したり、足元を注意したり…
といった、学習を重ねていき、大きなケガを防ぐことにも、繋がっていくのです。●保育における留意点
命にかかわる状態、大きな障害を残すことは絶対に避けなければいけません。
保育者は、正しい知識を持ったうえでの対応が必要。
対応の間違いは許されません。現状の知識で満足せず、常に医学情報を得るよう、努力をするようにしましょうね!
また、個々の子どもの発達、発育状況を、把握しておく。
それぞれの保護者の、育児観、価値観を把握し、理解しようとする。・集団生活における留意点
- 一人の健康→全員の健康に影響を与える。
- 集団の健康→個人の健康に影響する。
※他人の子どもを預かっているという自覚と、責任をしっかり持ちましょう!
※保育者自身が、子供の成長に関わっているという事を、自覚しよう。
また、子どものシグナルを受け止めましょう。
保育者の、人間性や、許容力を大きくしていきましょうね。
●小児保健を学ぶ意味と重要性を理解して目指すもの。
私の目指すことは、
健やかな育ちを保障していくこと、です。
子どもを取り巻く社会的な状況を十分に理解し、健康で健全な大人、社会人に育っていくことを目指します。
-
子どもを取り巻く様々な環境の例
- 保護者
- 家庭
- 夫婦のあり方
- 少産少子
- 核家族
- 育児力の低下
- 地域連携の低下
- 環境汚染
- 犯罪
- 学力偏重
- 社会の経済状況
- 他国との関係
- 戦争
これらの、子ども達を取り巻く環境を踏まえて、
その子にとっての、一番の健康な発達とは何か?それを考えていくのが、保育者の仕事です。
定義された健康という言葉に、振り回されてしまっては、
視野が狭くなります。正しい対応をする事が一番大切。
保育所において、様々な経験を子ども達にさせて、
成長の援助をしていく中で、病気、ケガはつきものです。
ケガなどは、無いにこしたことはないですが、仕方ない事です。要は、危険が察知できて、また正しい対応を知っている事が、
必要なのだと考えています。保守的になっては、いい保育は出来ません。
かといって、小児保健の知識を持たず、重要性も理解しないまま、
活動を進めていくと、ケガやトラブルも起こります。つまり、良い保育をしていく事は、
保健と保育、どちらの視点も非常に重要だという事なのです。
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