保育士が教えるたった二つの【絵本の選び方のポイント】(0歳児、1歳児、2歳児、3歳児、4歳児、5歳児~)

子ども達に、絵本を選ぶ前に、この記事を読んでください♪
この記事の目的は、あなたが子育て・保育において【子ども達のために絵本を選ぶ明確な基準】が持てる事です。
この記事を読めば、あなたは「明確な根拠」と「明確な基準」を持ち、絵本を選ぶ事が出来るようになります。
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
子育て中のパパやママ、保育園にお勤めの新人の先生や、保育士養成校で勉強中の学生さんなどの悩みとして、

どんな絵本を選んであげればいいんだろう…悩む…
というものが多いです。
この記事では、その悩みを解決する「絵本の選び方のポイント」をお伝えしていきます。
この記事を読めば、
- やみくもに、自分の基準や感覚で絵本を理由で選ばなくなる
- 根拠のない理由や主観・他人から勧められたというような、テキトーな絵本の選び方をしなくなる
…と言った変化があるでしょう♪
この記事ではオススメ絵本は紹介しておりません。
子ども達に合った絵本の選び方について紹介しております。
■おすすめ絵本が知りたい方は下記の記事へ
→年齢別・行事別のおすすめ絵本まとめページ
記事の一番下にも、年齢別おすすめ絵本の紹介や、ジャンル・行事ごとのおすすめ絵本紹介まとめリンクがあります♪
ぜひ最後まで読んで見てくださいね。
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
■子どもへの絵本の選び方の結論
かなり抽象的な言い方ですが、コレを抑えておく事で、絵本選びの視点が、明確になってきます。
自分の中の基準があいまいである…という自覚があるなら、ぜひ読んで見てくださいね。
まず最初に結論をお伝えすると、子どもの絵本選びで意識する事は二つしかありません。
- 「絵本は、子ども達と楽しさ・面白さ・喜びを共感・共有するためのもの」
- 「絵本は、想像力/興味・関心の扉である」
上記、2点が絵本の本質的な役割で、意識しておく事です。
- 「絵本の本質・前提・根本的な役割(上記2点)を理解する事」
が出来れば、絵本はそれ自体が単体で使うものではない事が分かります。
それにより、絵本はコミュニケーションのツールであり、もっと遊びや世界を広げる事ができるブリッジとしての役割があると理解できます。
ここまで抑えた上で、目の前の子ども達、普段接している子ども達の姿を思い浮かべると、自然と
- 「この絵本を読み聞かせる事で/与える事で、私も子ども達と一緒に楽しめるだろうか?または、友達同士の関わりが増えるだろうか?」
- 「この絵本を読み聞かせる/与える事で、どれだけ子ども達の遊び・活動が広がるかな?」
と言う考え方を出来るようになり、イメージがわきます。
それにより、子どものために選ぶ絵本が見えてきます。
よって、この記事では、
- 「絵本の本質・前提・根本的な役割を理解」
していくために必要な要素を、紹介しております。
絵本の選び方が分からないからと言って、誰か他の人に、言われるがまま、理由も分からず選ぶよりも、
この記事を見て本質を知ると、選び方の基準が分かります。
年齢別絵本紹介などの記事を見る前に、まずはこの記事を見て
- 「子どもにとって、そもそも絵本とは?」
という本質を抑えるのが、一番の近道になりますよ♪
■子どもにとって絵本はどんな教科書よりも優れた教材
そもそも、絵本を選ぶ前に「子どもにとっての絵本とは」という前提を抑えておく必要がります。
前述しましたが、意識しておきたいポイントは、大きく分けて下記2点。
- 大人との・また他者との関わり・嬉しい・楽しい・喜びの共有ツール
- 興味・関心の扉・想像力・世界を広げていくもの
詳しくを下記、解説していきます。
●一緒に楽しむ・大人や他者との関わり
子どもにとっての絵本とは、喜びそのものであり、
大人が自分のために読んでくれる時間は、とても嬉しいものです。
乳児期に、大人に読み聞かせをしてもらった時の
- 「楽しい」
- 「嬉しい」
- 「気持ちいい」
という経験は、心を通わせるコミュニケーションでもあります。
絵本を大人が読んでくれるという事実は、子どもにとっては、自分のために時間を使い、丁寧に関わってくれたという幸せな経験にもなります。
また、幼児期になっても、その時間はとても大切なものです。
●絵本は興味・関心・想像力・世界を広げていくもの
絵本のジャンルは、主に下記の種類に分類されます。
(細かく分けるともっとたくさんあります)
- 物語・お話系
- 科学・図鑑系
- (赤ちゃん向け)
です。
それぞれ、用途・要素・シチュエーションは細かく分かれます。
(赤ちゃん向け・乳児向けは、関わりやふれあいがメインとなります。)
物語系は、読んで字のごとく、お話になっており、
日常・あこがれ、イマジネーション、冒険・ファンタジーなどのストーリーを通して、
主人公に同化して、いろんな気持ち・感情・経験を追体験する事が出来ます。
科学系というのは、生き物や植物、自然の事象など図鑑系などをはじめ、好奇心・知識欲を掻き立てるものです。
子どもにとって、絵本ってのは最高の教材です。
絵本は、新しい発見でもあって、知らない事を教えてくれたり、好きな事をもっと知れるものです。
その上で、楽しさや面白さを他者と共有できるのです。
同じ物語を見て、共感したり、感想を話してみたり、ここにも心の繋がりが生まれます。
また、新し知識は、他人と共有したくなるし、教えたいし、話したくなる。
絵本で学んだあそびを実践したり、科学系なら実際に生き物を観察したり、実験したくなる。
絵本を通して、絵本にまつわる活動・行動その全てが、他者を巻き込み、子どもの生活を取り巻き、広がっていきます。
そして心身共に、文字通り、心身共に、子どもの豊かな育ちに繋がっていきます。
●【重要】絵本は、知識や文字を教えるための道具ではない
絵本を読むことは、教養にもなりますが、その意味を間違って理解している人が多いです。
本当によくある間違いなのですが、絵本は「お勉強のため」の教科書ではありません。
絵本というツールで、
- 他者とのかかわりを通して、
- 興味関心が広がる事により、
- その結果として、一般的な教養と呼ばれる力を含め、コミニケーション力や行動力など様々なが身につく
という工程があります。
(1と2はモノゴト、状況によって前後します。)
直接的に「おべんきょう(笑)」の役に立ちそうだからという理由で、大人が絵本を選ぶというのは、それは絵本選びではないです。
そもそも絵本とは、楽しさを共有するもので、嬉しいものです。
そこに、大人の一方的な思惑・押しつけが存在してはいけません。
一緒に読んで、お互い楽しい、と言う事が絵本の本質です。
子どもが、本当に心を躍らせて、満足できるか、誠実に考える事が大切ですね。
■子ども達にどんな絵本を選べばいいのかのポイント
さて、下記より「絵本」を構成する要素を、それぞれ分解しながら、お伝えしていきます。
- 発達(対象年齢)
- 文章
- 絵
- 内容
ただ、それぞれの要素が、独立して存在するのではなく、
うまく組み合わさる事で、総合的な(芸術)作品になる、というポイントを抑えて、選んでみてくださいね。
●年齢によって発達の道筋にそった、最適な絵本を選ぶために意識すべきポイント
子どもには発達段階があり、その道筋に沿った・見据えた選び方があります。
押さえておきたいポイントについて、解説します。
0歳児の発達を考慮した絵本選びのポイント
0歳児にとって大切なのは「関わりを楽しむ」と言う事。
赤ちゃんにとっての絵本との出会い、初めて読んでくれるのは大人です。
大好きなパパやママと絵本を見てを過ごす、気持ちよさ・心地よさ、幸せな時間を共有したいですね。
お互いに関わりを楽しむ事で、安心感、信頼を育んでいけます。
- 言葉のリズムの心地よさ、声を聞く感覚
- 視力の低い赤ちゃんでも分かりやすい形、色のシンプルさ
- あそびに繋がりやすい身近なもの(身の回りにあるもの)
さらに詳しく知りたい場合は、
→「0歳児にオススメの絵本紹介」
上記の記事でお伝えしています。
1歳児~2歳児の発達を考慮した絵本選びのポイント
いろんな事が出来るようになってきて、興味津々、自分の世界が広がっていく時期です。
こんな時期に読んであげたいのは、身近のものがたくさん登場する絵本です。
食べ物、自然・生き物、乗り物、などなど、その子のお気に入り、
または、より世界を広げていけるきっかけになるものを選んであげると楽しいです。
赤ちゃんの頃とは反応も変わってきて、喜びや嬉しさ、楽しさを、思うままに表現するようになります。
まねっこしてみたり、絵本でみた遊びを再現しようとしたりします。
また、成長に伴い、ストーリー、お話に流れのある絵本が楽しめるようになってきます。
- 新しく世界を広げられるもの
- 好きなもの・身近なものをたくさん楽しめるもの
- 簡単な話の流れがあるもの
- 遊び・表現につなげられるもの
- 繰り返し表現で安心感があるもの
読み聞かせだけでなく、好きな絵本を、1人でページをめくって、楽しむ事も出来るようにもなります。
さらに詳しく1歳児、2歳児の絵本のポイントを知りたい場合、
上記をご参考くださいね。
3歳児、4歳児、5歳児(幼児クラス)の発達を考慮した絵本選びのポイント
幼児クラス(3歳児、4歳児、5歳児~)になってくると、意識したいのは、遊びに繋がりやすい・体験できるような絵本を選ぶと楽しいです。
また、自己を発揮しながら、友達との違いを感じたり、協力したり、より深く、相手の気持ちを考える事が出来るようになってきます。
- 物語の世界に入り込んで楽しめるような絵本
- 人物に共感・感情移入できるような絵本
このような絵本を、たくさん読んであげたいですね。
上記の記事もあわせてご参考くださいね。
■子どもの絵本の選び方「本文・文章」のポイント
いろんな文章に触れる事で、子ども自身の、言葉での表現が豊かになります。
これから子ども達が成長するにあたり、思いを言葉で表現する力は、欠かすことのできない要素です。
つまり文章を見る時のポイントは、この絵本を読む事で、どれだけ表現を豊かにしてあげられるか、と言う事なんですね。
よって、これらを考えた際、正しい日本語・破たんの無い文章で構成されているという事が重要です。
基本的に、いい絵本って、正しい日本語、美しい文章で構成されております。
また、子ども達にとってわかりやすく、響きやすいです。
●本当に良い絵本の文章は、声に出したとき、リズミカルで心地が良い
本当に良い絵本の場合、実際に声に出して読み聞かせを行った際、テンポよく、心地のいいリズムになるよう、設計されている場合があります。
特に秀逸なのは、ディックブルーナ(うさこちゃんシリーズ)の絵本です。
これ、赤ちゃんや乳児向けだと侮る事なかれ、実際に読んでみると分かると思うのですが、
大人もとても読みやすい上、子ども達にもわかりやすい・聞きやすい・聞いてて心地いいリズムになってます。
単純な絵本に見えますが、文章のリズムについて、めちゃくちゃ綿密に計算されつくしています。
ここまでこだわってる絵本、中々ありません。
●この言葉・文章は子どもにとって難しすぎるんじゃないか?という疑問について
昔から、読み継がれている絵本には、難しい表現が使われている場合もあります。
例えば、昔の言葉遣い・言い回しだったり、独特の方言だったり等ですね。
しかしそれもまた、歴史を知れ、興味の幅を広げ、学びを深め、多様性を認め、子ども自身の表現を豊かにする事に繋がっているのです。
あと、本当にすごい事ですが、多少難解な表現があっても、
子ども達って、前後の話の繋がりで意味を理解したり、挿絵などの力もあって、子どもなりに解釈していたりします。
つまり、知らない言葉が出てきても、雰囲気で感じている事もある、と言う事ですね。
繰り返し読んでいるうちに、また他の絵本で似た表現を見ているうちに、いつのまにか、その言葉は自分のものになっています。
大人から読み聞かせをしてもらう事で、耳から音で言葉を聞き、お話を楽しむことで、
新しい言葉を増やし、子どもたち自身の表現を、めちゃくちゃ豊かにします。

例えば、新しい言葉や文字にしても「お勉強して覚えなさい!」って子どもに言っても、定着しないし、すぐ忘れるよね。
でも、絵本・お話に登場した事がある言葉・フレーズって、
その意味も自然と覚えるし、どんな時に使う言葉・表現なのか理解できちゃいます。
これからの生活の中で無理なく使えるようになるし、表現力も語彙力も爆上がりするのです♪

お話の中で、言葉が意味づけされるから、無理なく楽しんで定着していくよね

読書習慣のある子・読書量の多い子って、知識量だけじゃなくて、語彙力がめちゃくちゃ高いし、表現豊かなんですよ!
■絵本を選ぶ時の「絵」を見る時の注意
これはどうしても主観が入ってしまい、非常に難しいのですが下記がポイントです。
- 子どもの理解しやすいもの
- こどもの想像力・イメージを広げやすいもの
(イメージの邪魔をしすぎないもの)
定義は様々で、目的やシチュエーションによって違うのですが、
絵本の読み聞かせってのは、一枚の絵と保育者の声で構成されています。
文章と絵がマッチした、子どものイメージに繋がる「画(絵)」である必要があります。
ここでいう「イメージに繋がる」とは、必要な情景・情報を伝える一番大切な描写、という意味です。
(必要な情報が少なすぎたり、不要な情報が多かったりしてはいけない、と言う事ですね)
その絵本の絵が良い絵本であるかの判断方法としては、
「文章を読まず、絵だけを見ても、物語・話の流れが感覚的に分かるか」
で判断する事が出来ます。
この時、子ども達の見る画(え)は、イマジネーション・想像を働かせる・思いを馳せる余地があるとベストですね。
●絵本選びの際「芸術性」という言葉に振り回されないように!
古い保育者の中には、絵に関して芸術性の高さ・本物であるかどうかを気にする人も多いです。
もちろん、芸術性が高い事は大切な要素なのは事実ですが、絵本について学んでいく中で、
- 「芸術性がなくてはダメ」
- 「芸術的でなければ良い絵本ではなない」
と、思い込んでしまうようになることが、危険なのです。(いわゆる”こじらせ”というヤツ)
そもそも絵本って、総合芸術作品として高クオリティが維持されているのは、原則で前提です。
絵本が芸術的であるのは当たり前・当然であるという事です。
それを今さら芸術的かという基準を持ちだし、美術的観点で芸術的かを評価するってのは、単なる手段の目的化です。
それにより、選ぶ絵本の幅が狭まり、機会損失が大きくなるだけです。
(というか、絵本って「文章+絵+内容」全て含めて総合的な芸術作品ですので、絵だけを見て芸術的かどうかを判断するのは、ちゃんちゃらおかしい)
別に「芸術性」という言葉をバカにしてるわけでも、ディスってるわけでもありません。
…が、我々保育者(芸術の素人)が、「芸術的である事を求める」事ばかりに縛られ過ぎると、
トンチンカンな解釈をする可能性がある上に、ちょっと痛いよね、と言う事です。
絵については絵本のテーマ・世界観・コンセプトに合っているかが大切です。
破綻が無いか、チグハグでないか、という事が重要です。
伝えるものが本物であるかや、芸術性の高さに、上から目線で評価し点数をつけるよりも「絵本としての本質」を意識しましょう。
しかし実際の所、「本質」を得た絵本ってのは、総じて芸術性が非常に高い事が多い、というのは事実です。
(絵本の本質とは、コミニケーションツールであり、興味関心の扉であるという事)
絵本としての役割をはたす/条件を満たしていれば「芸術性がどーのこーの」ではなく、あとは個人の好みの問題です。
ただ、絵本としてのジャンルってありまして、
- 子ども向けに振りすぎた、かわいいだけの絵柄の本
(→いわゆる、子どもだからと言ってナメてる絵本) - アート側・芸術に振りすぎた、絵画集のような絵本
(→作者の自己満足的表現、大人用の絵本=絵本の本質を無視)
みたいなものがあります。
こういったものは「絵本の本質」とは離れている場合があります。
選ぶ際、注意してみて下さいね。
●(読み聞かせの際は注意)【見開きページ】=【1つの場面】が絵本の原則である
絵本の絵(画面)に、指をさしながら、読み聞かせをしなければいけない絵本は、あまりよろしくない/子どもにストレスが掛かる/読み聞かせには向いていません。
前述したように、絵本の読み聞かせとは【見開きページ(視覚)】と【保育者の声(聴覚)】で構成されています。
よって、基本的に、ストレスなく読み聞かせができる原則として前提なのは…
【見開きページ】=【1つの情報(1つの場面)】
です。
最近の絵本でよくあるのですが、見開きページ内で、情報が分割されているものが散見されます。
左右で別々の場面を描いていたりするものや、いわゆるマンガ的配置の絵本も含みます。
これ、文字を読める子が、一人で読むのなら全く問題はないのですが、読み聞かせの際は、非常に弊害があります。
子ども達が「先生は今、左右どっちのページのどの部分を読んでいるんだろう?」と言う事を頭で考えて、子ども達自身が探す必要があるため、子ども達がお話に集中できません。
読み聞かせでは双方に多大なストレスが掛かります。
例えば「しろくまちゃんのほっとけーき」という、超人気絵本があります。
こぐまちゃんシリーズ、個人的にすごい好きなんですが…
…が!この絵本、ホットケーキが出来るまでの工程のページは、読み聞かせをする際、実は最低最悪の配置なのです。
(まさかの見開きページで、情報12分割で、指をさしながら、今どこを読み聞かせてるのか、あからさまな説明をしないとダメなので…絵本の内容はとても面白いだけに残念)
もちろん「見開き=1画面」かつ「指さし読み聞かせNG」というのは、あくまで原則であり、例外はあります。
そういったコンセプトで遊ぶ絵本であれば、全く問題はありません。
しかし、そういった細かい所まで考えて作られている絵本ばかりではない、というのが現状ですね。
■絵本の選び方「テーマ/主題・内容」
●赤ちゃん向け・乳児向け絵本について
乳児期は分かりやすさと視覚や言葉を聞く事の面白さ、大人との関わりの楽しさが重要です。
- やりとり、かかわりを前提としたうえで、
- 大人の声を聞く心地よさ、リズムの楽しさ、
- 視力が低くても分かりやすい色、形、などなど…
感覚をフルに使って、いろんな角度から刺激できるものが楽しいです。
●物語系・お話のある絵本を選ぶポイント
物語系では、自分と重ねやすい物語、主人公と同化できる・なりきるのが楽しいお話が楽しめます。
- 主人公は知っているもの・対象であること
(→自分と重ねやすい、イメージしやすい・イメージが楽しい) - お話を追体験できる
(→日常・あこがれ・冒険・ファンタジー)
子ども達の姿を見て、日ごろ遊んでいる物・好きなお話など、必要な情報を材料にしたうえで、選んであげましょう。
ただ、長い物語(長編児童文学)を、短く編集し省略したものは、個人的には読まない方がいいと思います。
重要な部分が、ほとんどカットされているため、登場人物の気持ち、深い所までの表現や描写などが分からず、せっかくのお話が、つまらないものになっています。
長編文学は、読書習慣がついたら、じっくり味わって楽しむのがオススメです。
●科学系・図鑑系絵本を選ぶポイント
科学系は、興味が広がるなら何でもOKですが、こちらも身近なものがが、世界を広げるきっかけになる事が多いです。
そういう意味では、やはり自然の事象・食べ物・生き物や植物など、身近に触れられるものに、興味を示しやすいです。
単純に、子どもが好きなものを大人が選ぶ・もしくは子ども一緒に本屋さん/図書館に行って選ぶという事でOKです。
- 子どもが雨が降っている事に気づいたら、雨の絵本を一緒に読んでみる
- 子どもと一緒に図鑑でバッタを見たから、バッタを探しに散歩に行く
…などなど、実物から入るか、絵本から入るか、順番はどちらでもOKです。
ただ、興味を持った時に、すぐ取り出して楽しめるようにしておく事が、知的好奇心を深める・満足させる事に繋がります。
「知りたい見てみたい、実際にやってみたい」という動機付け、キッカケをたくさんあげたいですね。
●子ども向け絵本と大人向け絵本の違い
例えば
【大人が読む想定の絵本】と【子どもに読む/読み聞かせをする想定の絵本】
こういうのって、けっこう書店に行っても、混同されがちです。
が、あつみ先生としては、明確に分けておかないと、子どもにとって押しつけがましいものとなると考えています。
両者の違いは
- 子ども向け絵本:「楽しい時間の共有・コミニケーション&興味関心を広げる」
- 大人向け絵本:「絵本の本質を含まない、それ以外の全ての絵本」
です。
たとえば、あつみ先生が大好きな絵本として「ちょっとだけ」があります。
しかしこれは、大人向けの絵本で、子ども達に読み聞かせをするべきではありません。
なぜなら、子どもにとって、非常に押しつけがましいからです。
この絵本の読み聞かせで、子どもが感じるのは、
【「お姉ちゃん/お兄ちゃん」であるあなたは、こうあるべきである】
という、長男/長女であるべき立ち振る舞いに関するプレッシャーでしかありません。
逆に、大人である保護者がこの絵本を読めば、子どもの気持ちを客観的に感じる事が出来るのです。
でも、絵柄と物語の雰囲気を見れば、いかにも、子どもに読んであげても問題のない内容だと感じますよね。
しかし、子ども向け絵本の定義は、「子どもとの楽しい時間の共有」&「興味・関心」です。
よって、この絵本は大人向けであり、子どもに読み聞かせるものではない、と言う事です。
●物語・設定に破綻が無いものを選ぶ
とくに有名な昔話、民話、童話など、再編集・リメイクが様々な出版社から出ている絵本に多いのですが、あまりにも原作から形が変わりすぎている・設定が破たんしている物があります。
たとえば「おおきなかぶ」という有名な絵本があります。
このお話、非常に楽しく面白いので、いろんな出版社からいろんなスタイルの「大きなかぶ」の絵本が出ています。
これって、もとはロシア民話なんですが、絵本によっては、絵柄がかわいいものに振りすぎた上、おじいさんの服装がアメリカンだったり、根本的設定を壊している物もあります笑
桃太郎がサーベル持ってたり、西洋甲冑とか着てたら違和感があるじゃないですか。
あまり細かい事を気にするのも疲れるのですが、こだわりがあるならば、そういった、破綻や矛盾がないものを選ぶ事は必要ですね。
●【絵本NG例】説教系・脅し系絵本について
また、絵本のジャンルとして、子どもに大人の望む行動をとらせる事が目的の内容のものがあります。
その中で、特に注意しなければならないのは、脅し系の絵本です。
「○○をしないと、こんな怖い結果・罰がまっている」
と言った系統の絵本です。
基本的にこういう絵本は、ネガティブな動機と、恐怖感の心理を利用しています。
それによって、子どもを脅す事で、大人の望む通りに動かす、という仕組みになっています。
こういったものは、絵本としての本質から大きく逸れているため、望ましくないです。
発達うんぬんよりも、大人との信頼関係に大きな悪影響があります。
話がそれるため、詳しくは、下記の記事(TIPS)でまとめておりますので、ご参考ください。
→しつけ・説教・脅し系の絵本は悪影響しかないという話
■その他絵本を選ぶ時の視点・本当に好きな絵本は、子どもの発信・反応を見れば分かる
基本的に、長年読まれ継がれているものは、ハズレは少ないです。
実績が保障されていますし、その絵本を好きな子も多いです。
ただし、世間の評判に振り回され過ぎるのはよくありません。
子どもの反応が一番の正解です。
- 何度も「読んで!」とリピートが高いもの
- 自分で取り出して、何度も本を開いて読んでいるもの
大人の感覚で「いい絵本を選びたい」と思いすぎるのではなく、子どものリアルな反応が正解です。
大人も、自分の感性を磨く必要がありますが、それを信じすぎてはいけません。
やっぱり、絵本って一番、大切な人との共有が根底にあります。
一緒に読んで、楽しそうにしている・楽しかった経験がある事で、お気に入りの絵本が出てきます。
その絵本を読んで、子どもと一緒に楽しめるか?と言う事が、選ぶ基準になっています。
さて、今回の記事はこれでおしまいになります。
もっと絵本について知りたい・学びたい方は、絵本まとめのページなども、ご参考くださいね。
■参考記事:
→年齢別・行事別の絵本紹介まとめページ
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