保育園や幼稚園での製作活動の一つである、
簡単にできる折り染めの方法や作品についてを紹介します。
材料は何を用意すればいいのか、 どんな折り方があるのか、
どんな種類の絵具を使えばいいのか、
紙の種類は和紙、障子紙、半紙、どれを使うかなど、
コツとポイントを押さえて紹介します。
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
和紙を使った折り染めは、とても綺麗でさわやかな模様が出るので、
夏の製作でよく使われます。
(もちろん、他の時期の製作にも相性バッチリ!)
折り染めをしたもので、あさがおを作ってみたり、
うちわにするだけでも、子ども達は大喜びです。

使う色合いを変えるだけで
随分雰囲気が変わります。
どんな季節の製作物にも
合わせやすい、
汎用性の高い技法です!
目次
■製作に使いやすい簡単な和紙(半紙)での折り染め
また、季節問わず、様々な製作のアクセントとして使えば、
非常に見た目も面白く、楽しくなります。
絵具の特徴や性質を知るのにいいですね。
滲んでいく様子を、興味津々に見ています!
●絵具と和紙での折り染めの特徴
染み込んでいく絵具の様子を楽しめます!
子ども達はじわじわと広がっていく色や、
混ざっていく様子に興味津々。
絵具の特性と、紙に水が染み込んでいく事を知れます。
また、幼児クラスで行う場合、
和紙や半紙などを、自分で折るところから活動にすれば、
軽く折り紙の活動も含めて出来ますね。

指導案を書くときにも、
ここら辺のポイントを
意識してみてくださいね。
●折り染め製作に必要な材料
- 和紙(障子紙や半紙)
- 絵具(水彩絵具やポスターカラー)
- 溶いた絵具を入れる容器
口が広いタイプが使いやすいです。 - 干す場所
外に干す場合吹っ飛ばないように注意笑
部屋でもすぐに乾きます。
●折り染めのやり方と手順を解説
折り染めのやり方を写真付きで解説していきます。
絵具を溶いて器に準備する
まずは絵具を溶きます。
絵具の種類は、特に気にする必要はありませんが、
今回はポスターカラーで行っています。
(詳しい違いは後述します)

溶き方や絵具の濃度で、
染まり方は変わります。
水分が多いと、
淡くなってしまうので、
調整してみて、
どんな風に染まるか、
チェックしてくださいね。
ポイント:
写真では自宅で行ったため、紙コップで絵の具を溶いていますが、
保育所の活動として行う場合、もっと広く浅い器が適しています。
その理由としては、
- 縦に深い容器だと、角だけに絵具を浸しにくい。
- 深い容器だと絵具をつけすぎてしまう心配がある。
というものがありますので、
容器には気を付けて指導案を考えてみてください。
園の備品で、適したものがないか探してみてくださいね。
もしもどうしてもない場合、市販の深めの紙皿とかでも使えます。
和紙(障子紙、半紙)を折る
染めるための紙を準備します。
ここで使うのは、習字用の半紙です。
障子紙などでもOKですが、入手のしやすさや手軽さ、
また保育園の備品として準備されている可能性がある事を考えて、
半紙でもOKです。
ただ、丈夫さで言うと、障子紙が破れにくく、ベストです!
半紙を、必要な分だけ、折っていきます。
幼児クラスですと、折り紙と同じ要領で、自分で折る事もできます。
本来、折り染めでは、じゃばら折りなどが均一に染まります。
ですが、保育園の活動として考えた際、
すべての子ども達が出来る折り方を考えると、
必ずしもじゃばら折りである必要はありません。
幼児クラスの子ども達に指導する際には、
「何回半分に折るか」
をしっかりと伝えてあげてくださいね。
絵具に半紙の角をつけ、染めていく
半紙が折れたら、角に絵具を浸していきます。
ちゃんと思うように色が出るか、染まっているかチェック。
表現したいにじみが出るように、絵具の濃度をしっかり見てくださいね。
全ての角を染めます。
角を染め終えたら、広げて乾燥させます。
完全に水分がなくなったら、折り染めの出来上がりです!
これを使い、様々な製作に応用していきましょう。
●折り染めに使う紙の種類は和紙?障子紙?半紙?
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丈夫さや破れにくさ重視なら【障子紙】がおすすめ。
手軽さで言えば習字用の【書道用紙】【半紙】もいいですよ。
折り染めを行う場合に、 一般的に使われるのは、障子紙です。
障子紙の良い所は、何といっても丈夫で破れにくい。
しかし園の備品にある事や、入手のしやすさや手軽さを考えれば、
習字用の書道用紙、半紙と呼ばれるものもOKです。
これらの紙は、文房具屋等で手に入ります。
また、紙によって特徴に違いがあります。
- にじみにくい紙
- にじみやすい紙
- 薄い紙
- 厚い紙
などなど。
保育園や幼稚園の折り染めの活動に使うものであれば、
大差はないため、こだわりが無ければ、何でも変わりません。
大きい売り場で、様々な種類の書道用半紙があり、 選べるのであれば、
にじみやすいものを選んだり、 活動に合わせて選んで買ってもいいですね。
園の備品があるのであれば、そちらを使っても全く問題ありません。
2歳児とか3歳児とかで活動するのであれば、
半紙よりも破れにくい障子紙が適しています。

染めるまでは出来ますが、
広げる時に、破っちゃう子が結構います。
●折り染めの絵具の種類って何を使えばいいの?
ぶっちゃけ何でもOKです。
園の備品の絵具があれば、それを使っていれば間違いはないです。
これは私が絵を描くときに使っている絵具です笑
様々な種類がありますが、それぞれ絵の具の特徴があります。
絵具の成分には大きな違いはなく、
それぞれ含まれている成分の量が違うくらいですので、
折り染めをするときには、そこまで大した差になりません。
別に悩むところではないのですが、
一応特徴を解説しておきますと…
不透明水彩絵具
不透明水彩は、一番一般的でよく使われている絵具。
小学校で使っていたものがこれにあたり、
基本的に子どもが使う絵具といえば、不透明水彩です。
色を混ぜる時にはパレット上で混ぜ、
明るい色を作るときには白い絵具を混ぜます。
ポスターカラー
ポスターカラーの成分は、不透明水彩の成分とほぼ同じです。
不透明水彩と同じような使い方が出来ます。
しかし、基本的にポスターカラーのほうが発色はいいです。
原色で塗るときなんかはバチッと決まりますよ♪
ただ、ポスターカラーの色は混色しすぎると
本来の鮮やかな発色が失われるので、
混ぜずに原色のまま使う方が適していますね。

余談ですが、
私が趣味で絵を描くときもポスターカラーばっかり使ってます。
すごい使いやすくてきれいに色が出るから好きなんですよね~♪
透明水彩絵具
透明水彩は保育現場にはほぼないと思いますが…
主に絵画で使われます。
紙に色を乗せると、下地である紙の質感が透けて見えます。
混色する際、白を混ぜると明るくなるというより、濁ります。
塗り重ねると、下地の色が重なって見えます。
つまり、白を上から塗ったりする事が出来ません。
つまり暗い部分にどれだけ明るい色を塗っても、
修正が出来ないのです。
繊細な表現が出来る所が利点ですが、それは画家の話。
幼児教育の場においては、あまりにも難しすぎて不向きです。
しかし、折り染めにしか使わないのであれば、関係のない特徴です。
アクリル絵具
アクリル絵具はマーブリングなどで利用することがあります。
アクリル絵具の特徴としては、乾くと耐水性になる事です。
水彩絵具やポスターカラーの場合、
乾いても水に濡らすと色が溶けだしますが、
アクリル絵具の場合、いちど繊維に色が染み込んだら、
もう一度水に濡らしてもにじんだりとけたりしません。
ただ、それは絵具のパレットや筆でも同じことが言えるので、
洗い忘れて乾燥したらもう使えなくなるので、気を付けてください。
主にオリジナルのTシャツを作ったりする時なんかや、
水にぬれる可能性や、水が付く前提のおもちゃなどの製作物に利用します。
★結論
アクリルじゃなきゃ本当になんでもいいです。
保育で使う場合にはポスターカラーか不透明水彩なら、
全く問題ありません。
というか園の備え付けの物を使いましょう笑
●折り染めの折り方
角が出来るように折る。
単純に、角が出来るように折ればいいだけです!
四角でなくとも、三角でも何でもOK。
折り目を多くすれば、細かい模様になりますが、
あまり細かくし過ぎると、 混ざりあって発色が悪くなる事もあるので、
必ずどんなふうに完成させたいかイメージして、
実験しながら折り方を決めましょう。
半紙をくしゃくしゃして丸める
2歳児クラスや3歳児クラスで折り染めを行う場合、
半分に折る事も難しい子の場合、
単純にくしゃくしゃに丸めて、好きな場所から、
2~3色絵具をつけても、折り染めが出来ます!

絵具をつけすぎないよう加減を伝えたり、
保育者が一緒に手を添えて行ってみても、いいですね。
●折り染めの絵具の溶き方
あまり水分が多すぎると、淡い色になってしまいます。
また、広がりやすくなるので、どんな作品にしたいかで、
溶く量の調整が必要です。
・単に、にじみを楽しみたい場合
絵具を少な目で薄く溶くことで、水と一緒に良く広がります。
特に折り目による形の表現などを気にしない時や、
2歳児クラスとかの場合だと、適当でOKです。
・折り方によるにじみを表現したい場合
もし、折り方を工夫して、特定の模様になる事を想定した場合は、
絵具の溶き方にも注意してください。
水分を多くし過ぎて、にじみ過ぎると、
せっかく折り目を付けたのに、
考えていた以上の範囲がにじんでしまって、
想定していた模様が分からなくなってしまった…
なんて事もあり得ます。
・浅い絵具の容器を使い、つけすぎ防止。
子どもは、半紙を絵具につける際、容器が深いと
どぼんと、全部絵具につけてしまう事もあります。
これじゃ折り染めもへったくれもありません。
その対策としては、浅く広い容器にする事。
ただつけやすいだけでなく、つけすぎの予防にもなりますね。
必ず実験して、どんな風に出来るのかをチェックしてから、
保育の現場で使っていきましょう!
●折り染めで作る制作物のアイデア
単純にきれいな模様として使えるため、 製作のアクセントとして使っていけます。
-
- バッグの模様
- ブックカバー
- 箱の模様
- こいのぼり製作
- あさがお製作
- あじさい製作
- うちわ
などなど、 様々な製作活動に、応用していけます。

季節や時期を問わず、絵具という画材の性質や、染み込む様子を楽しめる、 楽しい活動の一つです。
是非、やってみてくださいね。
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