絵本「かたあしだちょうのエルフ」全文あらすじと読み聞かせ動画

絵本「かたあしだちょうのエルフ」は、 1971年の読書感想文コンクールの課題図書。
あらすじなどを紹介します。
内容は、非常に深いものになっており、 大人でもファンが多数。
劇などでも取り上げられるテーマですが、
一部の幼い子どもにとってはトラウマで怖いかもしれません。
対象年齢は5歳児~小学校向けとなります。
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
私の大好きな絵本「かたあしだちょうのエルフ」の、
読み聞かせやあらすじ、ネタバレなどを紹介します。
絵本選びの参考に!
この絵本は、絵柄は独特な版画で、 表紙の印象は、ちょっと怖いです。
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
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絵本「かたあしだちょうのエルフ」の紹介
アフリカの弱肉強食の世界。
皆の大人気だった戦う強いエルフが、 ライオンとの戦いで片足を失います。
みんなを守れなくなり、 だんだんと忘れ去られていくエルフ…
しかし、エルフが皆を守りたいという気持ちは、本物です。
本当のやさしさと強さを持ったエルフが描かれています。
●「かたあしだちょうのエルフ」絵本データ
- タイトル:
かたあしだちょうのエルフ - 作者:
おのきがく - 発行:
ポプラ社
1970年10月 - 対象年齢(主観です笑):
5歳児(年長)~小学生 - ページ数:
32ページ - 読み聞かせにかかる時間:
10分
●「かたあしだちょうのエルフ」あらすじと全文内容
アフリカの野原の話。
激しい雨の季節が終わります。
草や木は成長し、鳥や動物たちは、一斉に元気になり、 活動を始めます。
野原には、色とりどりの花が咲き、
木には実がなり、種が落ち…
野原に生きる動物たちにとっての、ごちそうがたくさん溢れています。
みんな、豊かに暮らしていました。
そこには、エルフもすんでいます。
エルフは、とても強い、オスのダチョウです。
エルフは子どもが大好きで、みんなといつも遊んで、
楽しく過ごしていたのです。
子ども達に人気の強いエルフ。
エルフは、子ども達からも大人気。
エルフの背中に皆はのり、いつも楽しいお散歩です。
エルフは、他の動物たちから、とても頼られていました。
動物たちのお母さんは、エルフに子どもを任せておけば、安心なのです。
怖い肉食動物も、エルフには勝てない。
平穏な日々は続きますが、ここはアフリカ。
肉食動物も、沢山住んでいます。
ある日、ジャッカルが現れ、皆を狙っています。
エルフは、ライオンの鳴き声の真似をして、
ジャッカルを追い払う事に成功しました。
みんな、大喜びです。
強いエルフが、大好きでした。
安息は束の間。ライオンがやってきた
みんなが遊びの続きを始めようとしたとき…
なんと、本物のライオンがやってくるのです。
子ども達は、みんな怖くて、動けません。
ライオンに挑んだのは、エルフ。
エルフは、ライオンに立ち向かい、皆を守るため、
必死で戦い、ライオンに勝つのです。
戦いに勝ったエルフ。しかし足が…
ライオンに勝ったエルフを見て、皆は大喜びです。
しかし、エルフはその場にうずくまって、動けません。
なんと、大切な足の一本が、
ライオンに食いちぎられてしまったのです。
「みんな ぶじで ほんとによかった」
それだけ言うと、エルフは、痛みをこらえて、
その場にうずくまってしまいました。
野原の平和は訪れたが、エルフには苦痛の日々
ライオンも、ジャッカルも追い払いました。
草原は、平和な日々が続きます。
しかし、エルフは、一本の足では、まともに生活が出来ません。
子ども達と遊ぶどころか、進むことも、ほとんどできないのです。
毎日の食べるものも、無かったのです。
はじめのうちは、他の動物たちが、
エルフを心配して、食べ物をもってきてくれていました。
しかし…しばらくすると、誰も食べ物を持ってきてくれなくなりました。
みんな、自分の家族の事で精一杯なのです。
エルフは、日が経つにつれて、
なんとなく みんなから忘れられていきました。
忘れられたエルフの長い長い苦痛。
皆にとっては、明るいおひさまも、
エルフにとっては、身を焦がす灼熱でしかありません。
エルフの周りには、どんどん食べ物がなくなっていきます。
一日、ほんの少ししか、動けません。
食べるものも、見つかりません。
エルフは、干からびた木の根っこや、
何かの骨や、石ころなんかを食べて過ごしていました。
エルフは、どんどん干からびていきました。
そんなエルフを見ながら、
ハイエナや、はげわしが、
エルフが死ぬのを待っているのです。
ついにエルフは、歩けなくなりました。
一日中、同じ場所に立ったまま、じっと目をつぶっていました。
涙が一粒、乾いたくちばしを伝って、足元の砂に吸い込まれていきます。
エルフにとっては、子ども達の遊んでいる声だけが、慰めなのです。
突如現れたくろひょう
長い平穏は破られ、くろひょうが現れたのです。
逃げ遅れた、子ども達が狙われています。
エルフは、自分の体の事など忘れて、
なんとか子ども達を助けようと考えました。
「みんな ぼくの背中にのれ!」
子ども達は、夢中でエルフの背中に登ります。
くろひょうがエルフ襲い掛かります。
しかし、エルフは必死で耐えて、くちばしで何度も、つついて反撃します。
立っているのもつらいです。
しかし、最後の力を振り絞って、くろひょうをやっつけます。
くろひょうに勝ったエルフは…
エルフは、もうろうとする意識の中、子ども達の声を聴きます。
「エルフ ありがとう」
動物の子のども達が、エルフを見た時には…
かたあしのエルフとおなじ格好の、大きな木になっていたのです。
そして、エルフの顔の真下には、池が出来ていました。
それはエルフの涙で出来たのかもしれません。
木になったエルフは、野原に一年中、
涼しげな木陰を作り、動物たちは泉の周りで、楽しく暮らしていったのです。
●内容とストーリーの感想や読み聞かせのコツ
泣かずに読み聞かせを最後までするのが困難な絵本です。
ライオンやクロヒョウなど、絵柄の怖さと相まって、
さらに足を食べられてしまうという衝撃的な内容から、
子ども達のトラウマになってしまう事もあるこの絵本。
年長~小学生でエルフの本当のやさしさに気づける。
しかし内容的には、深く考えさせられるものです。
幼い子供たちにとっては、足を食べられたエルフがかわいそう、 という感想が多いと思います。
が、年長や小学校に上がってくると、
エルフの本当のやさしさと強さに気づくことが出来ます。
対象年齢的には、年長さんくらいです。
また、劇などにも、よくとりあげられる絵本です。
役に立たなければ、忘れられる悲しい現実。
また、元気で強い時のエルフ人気者で、 たくさんの仲間が寄ってきたけれど…
足がなくなり、弱くなったエルフは、
無常にも、忘れられ、相手にされなくなっていく…
という、悲しい現実も描かれています。
なぜ、あんなに献身的に仲間たちに尽くしたエルフが、 忘れられていくのか?
あまりにもかわいそうです。
誰からも相手にされなくなり、 食べるものがなくなっても、子ども達の事を思い続けるエルフ。
その描写がまたつらいですね。
心の優しい子に、読んでほしい絵本。
感受性の豊かな子どもに、是非読んでほしい絵本です。
本当のやさしさや、強さを、感じてほしいです。
年長くらいになってくると、保育園や幼稚園でも、
この絵本を読んで、ぽろぽろ泣いてしまう、
本当に心の優しい子が、たまにいます。
是非、その気持ちを育て行ってほしいです。
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