延長保育とは?長時間預けるのは悪影響?
保育園における延長保育とは?
そもそもどこからどこまでが延長なの?
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
長時間保育所に居ることで、子どもにどんな影響があるの?
悪い影響があるのでは…と、気にしておられる保護者がとても多いですね。
子どもが可哀想だ!と、賛否の議論が良く見られますが、
この記事では、延長保育についてを記録していきます。
●延長保育とは?
保育所とは、保育に欠ける児童に対して、保育を行う施設です。
そして、基本とする保育時間がありますが、
本来の保育時間に加え、さらに延長して行う保育のことを、延長保育といいます。
認可されている保育園では、基本的に保育時間は、決められています。
(例:8時~16時や、9時~17時など。これは、園によって違いがあります。)
これ以上の時間、預けるならば、延長保育を利用しなければなりません。
この保育時間というのは、保護者の就労状況によって決められます。
2015年からは、子ども子育て支援新制度によって、区分されていますね。
- 1号:保育時間4時間
- 2号:保育時間8時間or11時間
- 3号:保育時間8時間or11時間
といった感じです。
これ以上の時間を預けると、延長保育となるわけですが、
延長保育の時間を利用するなら、延長料金が掛かります。
この金額は、保育園によってまちまちですね。
15分~30分毎に、500円~1000円前後など、掛かってきますね。
また、これも園によって違いがあるのですが、
「今月は延長保育を利用します」など、前もって保育園に登録しておけば、
月額数千円で、延長保育を毎日利用出来たりもします。
もちろん、保護者がお仕事をしている前提で、です。
●高まる延長保育の需要
昔と違い、今は共働き家庭が大きく増えています。
女性も働いていかないと、生活していけないという状況ですね。
また、現在は、核家族化が進み、家庭の孤立化が進んでいます。
昔は、おじいちゃんやおばあちゃんに、子どもを預かってもらったり、
協力して子育てをしていけたのですが、時代は変わりました。
つまり、どうしても仕事で帰りが遅くなります。
労働条件は、人によりますが…正職員で働いている人になると、
4時や5時のお迎えなんて、間に合う人の方が圧倒的に少ないです。
●延長保育は、親と関わる時間が減る
これは、昔からずっと話し合われていることですが、
「長時間、保育所に預けることは、子どもにとって良くないのではないか」
というものがあります。
その理由とは、親との関わりが少なくなる、と言う事や、
生活リズムが乱れたり、睡眠時間が十分に取れない等があります。
私の勤めて居る園にも、朝一番早く来て、最終まで残る子も、います。
朝早く保育園に来て、真っ暗になってから家に帰って、
ご飯を食べたらもう寝る…
という生活を考えると、本当に、親との関わり時間が少ないですね。
しかし、仕方ない部分もあります。
●延長保育は子どもが可哀想!という声も
働く母親の中には、延長保育をするのが可哀想だという理由で、 短時間勤務にして働く人もいます。
長時間、家以外の場所で過ごすことが、ストレスになる子どももいます。
考えてみると、保護者が職場で働いている時間以上に、
園に拘束されている事になるんですからね。
私たちにできる事とは、子どもにとって、居心地のいい環境を作る事です。
しかたなく、延長保育を利用している保護者も、
やっぱり罪悪感を抱えながら、利用している方が多いです。
●延長保育とは、悪いことではないです!
「延長保育は子どもが可哀想である」
と思ってしまう事によって、保護者の不安や、危惧が、
子育てをネガティブに考えてしまう事になってしまうのは、
良くないです。
子どもが居るという現状を、しっかり考えれば、
延長保育を利用することが悪いという考えは、おかしいことです。
子どもの生活とは、親の生活の中に、あります。
親が安心して働き、幸せでなければ、
その中で生活している子どもが、幸せになんて、なれないですよね。
私たち保育者とは、
お母さんたちが、安心して働けるように、精一杯援助していくのも役割です。
親が不安を抱えず働くことが、子どもの生活を、保障していくのです。
頑張ってるお母さんはとっても素敵ですよ!
負い目なんて感じないでくださいね。
仕事への取り組み方なんて、周りのイメージを気にすることはありません!
子ども達は、頑張っているお母さんの姿を見て育っていきますよ。
●保育に欠ける子を保育するのが保育所の役割です。
保育所とは、保育に欠ける子ども達が居る限り開所し、
子ども達の生活を、保障していく施設なのです。
子ども達が、長く居ても、ストレスや負担にならないよう、
気持ちよく過ごせるように、保育者は工夫を凝らしていきます。
お迎えが遅い子が居れば、お迎えまでしっかり保育する。
そのための保育園なのですから。
●家族で協力して工夫する
送り迎えは、母親の仕事だけではありません。
父親が早く仕事が終わった日などは、積極的にお父さんもお迎えに来られています。
また、近くにおじいちゃん、おばあちゃんが居る子は、
お迎えに協力してもらったり、親戚にも助けてもらっている家庭もあります。
●お家ではしっかり子どもを受け止めてあげて
延長保育とは、子どもが疲れてしまうのは、事実です。
話も聞いてほしいし、甘えたくもなるでしょう。
親だって、仕事で疲れているかもしれません。
あまり時間を取ってあげられない事に対する、罪悪感などもあるかもしれません。
そこから、イライラしてしまう事だって、人間ですからあります。
でも、子ども達は、仕事をしている以上の時間を、 保育所で過ごしています。
しっかりと、受け止めてあげてくださいね。
話を聞いてくれる、受け止めてくれるという安心感からも、 親に対する信頼に繋がります。
●楽をしたいから子どもを保育園に押し付ける親もいる
自分の都合や、遊びの予定を優先したいがため、
土曜日などが休みなのに、子どもを預けようとする保護者もいます。
仕事なのかと思ったら、ママ友同士でランチしてたり。
私用のために本来の保育時間以上に利用する保護者がいる、 などという現状も、実際にあります。
預かり保育や、幼稚園はそもそも利用は任意であり、
保護者の就労状況に関わらず利用できるので、
子どもを預けている間、何をしようと自由ではあるのですが。
子どもを早く迎えに行きたいというお母さんと比べて、対照的ですよね。
保育所とは本来、「保育に欠ける子」を預かり、保育する施設です。
でも、お仕事が休みだったら、保育所に来てはいけないという決まりはありません。
今日は休みだけど、体調がすぐれないから、どうしても予定があるから、
という理由等で来られても、うちの園ではしっかり受け入れます。
ただし、それぞれの園や、自治体で違いがあります。
中には、親が休みなら自宅で過ごすように言われる園もあり、
私用のために子どもを預けることが出来ない園もあります。
私としては、親と過ごす時間も大切にしてほしい気持ちもありますし、
逆に休みすぎると、集団生活の中で友達と過ごす時間が減ったり、
皆と一緒に遊んだりできなかったり、クラスの皆で進める行事などに、
参加できないのが可哀想なので、一長一短なんですけどね。
●余談
完全に余談ですが、
これは、あくまで個人的な感覚なので、
多くのデータがあるわけじゃないのですが、
小さいころから保育園で長く過ごしている子は、
色んな物事に積極的に自分からやろうとする、
たくましい子が多いように思いますよ笑
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