児童虐待の原因とは?通報は義務なの?

虐待の通報って義務なの?
子ども達のサインを見逃さず、虐待を見分けるポイントは?
こんばんは!
男性保育士のあつみです。
この記事では、保育園や子ども達の関わる施設・機会などで、
虐待の疑いがある際の対応について、お伝えしていきます。
- どんな事が原因になるのか?
- 子ども達から発せられる、虐待のサインは?
- 通報はどうすればいいの?
この記事では、児童虐待の定義と現状・そしてその対応などを記録していきます。
この記事を書いた人

あつみ先生
保育士/幼稚園教諭/保育教諭|現役8年目|今年は0歳児担任|SNSフォロワー累計17000人↑|見てきた子ども達は250人↑|保育士ライター(MAMADAYS/ほいくらいふ等)|書籍出版「保育製作365日/100均知育365日」|30万PV保育士ブロガー|ピンタレスト月間250万PV|離乳食インストラクター4期卒セミナー講師|詳しいプロフィールはこちら
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■児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)
この法律では、 保護者が子どもに対して行う 以下の行為を言います。
- 身体的虐待
これは身体的に、攻撃を加える事です。
身体に外傷が生じたり、 外傷が出来るかもしれないような危害を加えることです。 - 性的虐待
児童にわいせつな行為をしたり、させたりする事を言います。 - 育児放棄
児童の心身の成長を妨げることをしたり、 食事を与えなかったり、放置することです。 - ネグレクト
保護者として、養育することを怠る事や、拒否することです。 - 心理的虐待
子どもに心理的な外傷を与えたりすることです。
法律では、これらが虐待の定義となります。
こういった行為が、保護者以外の人から行われると、 刑法による事件となります。
●虐待は必ず通報する必要があります!
もし、虐待の事実が発覚して、 気づいた人は、必ず通報しなければなりません。
これは、児童福祉法25条の規定で、決められています。
例えば、隣の家から、子どもの鳴き声と、 大人の怒号が聞こえてくる…
「これは虐待かもしれない… 」
と思ったら、通報しなければいけないのです。
知らんぷりは出来ない、と言う事ですね。
誰が通報したかという秘密は、守られます。
ただし、実際にある現状として、通報した場合、
報復を心配して「通報するのが怖い…」という状況があり、積極的に通報できない事が多いです。
★児童虐待は、どこに通報すればいいの?
通報先は、各市町村の児童相談所や、 いろんな窓口があります。
全国の児童相談所一覧はこちらです。(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/support/jidousoudan/index.html
また、児童相談所全国共通ダイヤルというものがあります。(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/
こちらは、虐待かも…と思った時に、すぐに通報、相談のできるダイヤルです。
その番号は、「189」です。
最寄りの児童相談所が分からない場合、ここにかければ、
一番近くの相談所に繋がりますので、覚えておいてくださいね!
●児童虐待の通告件数
毎年、どんどん増加しています。
平成2年で、通報が1100件以上あり、
平成15年では、26000件以上になっています。
平成24年で、66000件越えと、 どんどん増えて行っています。
しかし、これはあくまで通報件数です。
実際の数字はもっと大きいものであるので、 潜在的なものを含めると、 この数字にとどまらないという事です。
●虐待が発生する原因
★虐待の原因①:親の要因
◎親の個人的な資質
- 精神疾患
- アルコール依存
- 薬物中毒
- 暴力的性格
◎保護者自身のストレス
- 夫婦不和
- 近隣との人間関係やトラブル
- 経済的な苦しさ、貧しさ
- 子育てに対する不安
◎社会的孤立
- 近隣や親戚とのトラブル
- 学校や保育所でのトラブル
◎虐待の世代間連鎖
自ら幼い時に虐待を受けた人は、自分が親になった時に、
我が子を虐待する確率が、統計的に高いというデータがあります。
その確率は30%ほどと言う、かなり高い数字です。
★虐待の原因②:子どもの要因
- ①双生児や未熟児
子育ての負担がとても大きいためのストレス - ②我が強く、自分の要求に拘る子や、発達の遅れや慢性の疾患
思うように子育てが進まない事によるストレス
★虐待の原因③:親子関係の要因
子どもの虐待では、すべての子どもが被害者になる場合と、 ある特定の子どもだけが虐待の対象になる場合があります。
例えば、兄弟の中で一人だけ虐待される…などがあります。
◎虐待者の内訳
- 実母…71%
- 実父…15%
- 継母…4%
- 実父以外…2%
- その他…7%
◎被虐待児年齢
- 0歳…71.4%
- 1歳…17.8%
- 2歳以上…3.9%
●児童虐待の症状
★乳児に見られる症状
- 表情や、反応が乏しい
- 特別な病気などがないのに、体重が増加しない
- いつも不潔な状態
- おびえたような泣き方をする
- 不自然な傷や、やけど(タバコ)がある
- たまに意識レベルが低下する
- 予防接種や、健康診断をうけた記録がない
★幼児に見られる症状
- 表情が乏しい
- 他の子どもや、保育士にうまく関われない
- かんしゃくがある
- 他の子どもに対して暴力的である
- 言語の発達が遅れている
- 不自然な傷や、タバコのやけどがある
- 身長、体重の増加が悪い
- 服や身体が不潔な状態が続く
- 基本的生活習慣が出来ていない
- 食べ方ががっついていたり、人に隠れて食べるなどする
- 虫歯が多い
- 衣服を脱ぐときに、不安がる、怖がる
- 年齢に合わない性的な言葉、行為が見られる
- 他人との身体接触を嫌がる
●虐待のサイン
- 親が不自然
子どものケガに関する説明がしどろもどろ、不自然、 - 子どもが不自然
発育がよくない、落ち着きがない、 乱暴な態度、節度なく甘える、無表情 - 親子関係が不自然
親が子どもをみる目が冷たい
言葉のかけ方が乱暴、親の前で子どもが極端に緊張するなど
問題を抱えた過程で、必要な対応や支援をされないまま育った子どもは、
中高生で加害者になってしまい、将来的に虐待者になる傾向が、 統計的なデータで高く結果が出ています。
また、虐待と言うものは、徐々にエスカレートしていくため、 早期発見して、対策、支援を行っていく必要があります。
虐待を発見した時点で、早く通報していく事が、 問題の抱えている家族に対しての、支援の第一歩になります。
望まぬ環境で育つ子どもを保護し、家庭の問題を、 一刻も早く解決していく必要がありますね。
●発見から援助までの流れ
- ①発見
- ②相談、通告
- ③関係機関の情報収集と連携
という流れになります。
ここで、親子の分離が必要かどうかを、判断します。
もし、親と子を分ける必要がある場合は、保護者に対して、分離する事の同意を得る必要があります。
★親が子どもを一時的に離すことに、同意した場合
養護施設への入所や里親という制度を取ります。
★親が子どもを一時的に離すことに、同意しない場合
一時保護や家庭内裁判所などで、 強制的に引き離します。
★親子分離が不要と判断した場合
この場合は、在宅での援助、来所、訪問などで、 ストレスの軽減につとめたり、経済的な支援、 養護の支援、精神的支援を行っていきます。
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